欧米でパスポートといわれるのは、港(Port)を通過(Pass)するための通行証というのが起源だからである。
江戸時代でいえば、関所を通過するための通行手形だ。
現在の旅券(パスポート)は、日本国民としての証明であり、日本国を出国、あるいは入国するための身分証である。 原則として犯罪人には発行されない。
加えて、外国へ行く為には、原則としてその国の査証(visa)が必要である。 それはその国としての入国許可の証明である。 最近は、観光等短期滞在にはビザ不要という国も多い。
日本の旅券の表紙には、中央に菊花紋が配置されている。
日本国民の象徴たる皇室の印を以って、この旅券が日本国のものであるということと、この所持人が日本国民であることの証明であることを、意味している。
表紙見開きの第一ページには、「日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、且つ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。 日本国外務大臣」、と記されている。
その下に英文で同様の文言が記されている。
通行する権利と、必要な保護を、日本国として、要求しているのである。
これらの保証が担保されない国、地域、早く言えば、危険な紛争地域への渡航を自粛するよう、国が要求するのは当然のことだ。
いくら自己責任とはいえ、そのような地域で拉致、拘束された人質を、救わなければならないのが国の責任であるからだ。
そのために関係国にも、多大な努力を要請しなければならない。
この国の要請を無視するジャーナリストへの旅券の返還命令は、当然である。
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