ヤマモモ(ヤマモモ科 ヤマモモ属 常緑高木 雌雄異株 花期3,4月)
葉は互生し枝先に集まる。葉身は広倒披針形、基部は楔形、葉縁は全縁。雌雄異株で葉腋に穂状花序を数個つける。花には花柄、萼および花被がない。
雄株の雄花序は3cmほどの棒状で、冬季から春先には赤色を帯びよく目立つ。花期になると苞が開き雄蕊(白い花糸に大きな赤紫色の葯)が出る(画像では雄蕊8個を観察)。雌株の雌花序の展開は遅く又とても小さく見つけ難いが、花期には1~2cmの棒状の花序軸から4,5個の苞が開いて濃紅色の2裂した柱頭が触角状に突き出る。
果実は球形の液質多肉の核果で、中心部にある1個の核(内果皮)から密生して出た粒状突起(果瘤)が果実の表面を覆い外果皮・中果皮(可食部)を構成している。6月末~7月初に紅色から暗赤紫色に熟す。
公園等に植えられることが多いが、これらの果実は小さく食用にはやや不適。稀に大実をつける個体があり、これの果実が暗赤紫色に完熟するとジューシで甘く、生食、ジュース、ジャム、果実酒に適する。徳島県などでは果樹栽培している。
ゲッケイジュと樹や葉が似ているが、本種の葉には光沢がなく、又葉を揉んで嗅いでみても香りが全くなかった。
学名 Myrica rubra
属名 Myrica ギリシャ語名myrike(芳香性のある木) に語源。
種小名 rubra ラテン語で赤(赤い実)
TOP (目次) 画像・文 塩城 忠