アイサイ(2) ヤマアジサイ & タマアジサイ
ヤマアジサイ
関東以西から西日本一帯の山地に自生。葉は対生、葉質が薄く光沢がなく、縁に鋸歯。葉身は楕円形~狭卵形。
ガクアジサイ同様に花序の中心部に両性花、周辺部に装飾花がつく。
装飾花は白色の他に淡紅色から紫色と多彩。装飾花が部分的或いは全体に紅色に色づくベニガク(紅萼)品種がよく栽培される。果実は蒴果で花柱2が角状になって宿存。子房を包んだ萼筒/花托筒が偽果皮となって残る。
学名Hydrangea serrata
種小名serrate 鋸歯
アマチャ ヤマアジサイの内、自然発酵・天日乾燥により甘味成分(ズルチン)が生ずる品種を甘茶と呼ぶ。天城アマチャは葉が細長く、ベニガクに似て美しい。アマチャの葉はしばしば錆色を帯びる。
エゾアジサイ
エゾアジサイはヤマアジサイの変種で、北海道から東北、日本海側の積雪地帯の山地に自生する。冬芽は雪を被って温湿度が保たれて凍死しない。
宮沢賢治「雪童子」 日はどっぷりと暮れ 風雪は激しくなるばかり 少年はとうとう進むことも出来なくなりついに倒れてしまいました それを見た雪降らし童子は 少年の身体の上にさんさんと雪を降らし すっかり雪で覆い隠しました 翌朝少年は雪の中から這い出ると 昨夜のことを不思議に思いながらお家に帰りました
学名Hydrangea serrata var. megacarpa
種小名serrata var. megacarpa var.変種 megacarpa 大きな実
タマアジサイ
蕾は球形で総苞に包まれる。花期は晩夏~初秋、淡い青紫色の両性花と白い装飾花をつける。葉は対生、葉身は卵状楕円形。果実は球形の蒴果。
学名Hydrangea involucrata Sieb.
種小名involucrata Sieb. involucrata 総苞のある
Sieb.命名者シーボルトの略称
トップ 目次 画像・文 塩城忠