イヌマキ(犬槇 マキ科 マキ属 常緑針葉高木 裸子植物 雌雄異株 花期5,6月) 槇は古語では杉、檜、高野槇等の上質の材を指す。犬槇はそれらより材質が劣るということで狗(いぬ)を冠する。材は油脂を含み耐湿性、耐久性があり又シロアリにも強く、沖縄では優れた建築材として利用されている。
樹高20mの高木に生長し、大木になると枝先は下垂する。葉は枝に螺旋状につき、葉身は広線形で主脈が表裏両面に隆起する。針葉には見えない。雄株の雄花序は長い穂状。
雌株の雌花は節から花柄を出し、その先につく小さな苞葉の中から細長い花床(花托)が出て球形の胚珠がつく。珠孔(受粉孔)は胚珠の基底部付近にある。受精した胚珠は肥大して粉緑色の種子になる。胚珠の下側の花床は俵状に丸く膨らみ、成熟すると緑から黄色そして赤色に成熟する。花床(花托)が肥大成長しその上に種子が座した姿となる。
イヌマキおよび変種の矮小性のラカンマキは共に庭木によく植栽される。
学名Podocarpus macrophyllus
属名 Podocarpus podos(足)+carpos(果) 種子を支える肥大した偽果(花床/花托)の姿を形容する。
種小名macrophyllus macro+phyll 大きい+葉
トップ 目次 画像・文 塩城忠