イボタノキ(モクセイ科 イボタノキ属落葉低木 花期5,6月)
葉は枝に等間隔に二列対生、葉身は楕円形で縁は全縁(無鋸歯)、葉先は鈍頭、表面に艶がなく側脈数は3~4。葉柄、主脈、葉裏面に微毛が密生。新梢、花序軸に短軟毛が密生している。
横向きに伸ばした新枝の先に総状花序を出し白い筒状花を多数つける。花にはギンモクセイに似た芳香がある。萼はカップ状で萼歯4、長い筒状花の先が漏斗状に4裂、雄蕊の葯2個が花冠から覗き出る。雌蕊は花筒の奥にある。
果実は球形~楕円形の核果で、緑色から秋に紫黒色に熟す。観察では子房は萼壷の中にあるが、萼壷は肥大せず、果梗部にその痕跡(萼歯痕)が残る。
和名の由来: 樹皮に寄生したカイガラムシ(イボタロウムシ)が分泌した蝋物質が塊になったものをイボタ蝋と言い、この蝋を溶かしていぼ取りに使用したので疣取り蝋と呼び、転訛してイボタロウノキ→イボタノキになった(説)。
イボタ蝋は平滑剤として敷居に塗ったり家具の艶出し等に使用された。同属にネズミモチ、トウネズミモチ等がある。
学名Ligustrum obtusifolium
属名Ligustrum 同属の一種 vulgare の古名 Ligustrumに由来
種小名obtusifolium ラテン語obtuse 鈍頭+folium葉










トップ 目次 画像・文 塩城忠