ニセアカシア/ハリエンジュ (マメ科 ハリエンジュ属
落葉高木 原産地北米 花期5月)
根粒菌が共生するため痩せ地に生育でき、成長が早く20~30mの高木になる。増殖は種子による他、根茎を伸ばし萌芽して繁殖する。
樹皮は灰褐色で縦割れが目立ち、若い幹や枝の葉腋に托葉が変化した棘がある。
葉は奇数羽状複葉で互生、小葉は8対ほどで葉身は全縁(無鋸歯)、葉先は鈍頭。
新梢の葉腋から長大な総状花序を下垂させ、白く美しい蝶形花を多数つける。萼5裂、花は旗弁1、翼弁2、竜骨弁2からなり、旗弁の基部に黄色い蜜標紋がある。雄蕊10。
花は強い芳香を発散し花粉を媒介する昆虫を呼ぶ。花後に豆果(莢果)ができる。種子は土中で長年生存し、太陽光に恵まれた環境になると発芽するという。樹皮・葉・豆果には毒性があるが花や蜜には毒性はなく養蜂の重要な蜜源となる。
学名Robinia pseudoacacia
属名Robinia 仏園芸家Jean Robin (1550~1629)
ジャン・ロビン親子はパリの植物園に北米産ハリエンジュの種子
を播種して栽培した。
種小名pseudoacacia pseudo+ acacia 偽の+アカシア
日本には古くから中国原産のエンジュStyphnolobium japonicumが植栽されていた。明治の初め北米からエンジュに似るが棘がある種が渡来し、ハリエンジュと和名が命名された。ハリエンジュは札幌等で盛んに植栽され、俗称アカシアの名で親しまれた。
しかしその後オーストラリアからネムノキ科アカシアAcacia属(フサアカシア、ギンヨウアカシア)が英国に伝えられハリエンジュはRobinia属 pseudo-acacia 偽アカシアと改名された。
エンジュ(マメ科エンジュ属 中国原産)は黄白色の蝶形花が真夏7月頃に咲き、豆果の莢は深く括れ数珠状になる。(別項 エンジュ )
学名 Styphnolobium japonicum
属名Styphnolobium styphn + lobos 括れた+片(括れた莢を指す)
種小名 japonicum 日本産














TOP (目次) 画像・文 塩城 忠