上:雌株の雌花序 一つの花に2個の子房と2個の雌蕊。子房/雌蕊3個も散見される
下:雄株の雄花序 山椒雄花の線香花火かな
サンショウ (山椒 ミカン科 サンショウ属 落葉低木 雌雄異株 花期4,5月) 枝の葉の直下(側芽/葉痕の下)に鋭い棘が2本対生してつく(イヌザンショウの棘は互生)。葉は奇数羽状複葉で互生、小葉は楕円形で縁に低鋸歯。その鋸歯の基部に油点があり、葉を揉むとこの油点が壊れて芳香成分が発散する。雌雄異株で各々単性花をつける。花に花弁がなく萼5片と蕊がある。雄株の雄花には雄蕊が5個、雌株の雌花には2個の子房に2個(3個も散見)の雌蕊がつく。果実は小さな凹凸のある球形で2分果(3分果も散見)からなる。果皮は当初緑色をしているが、秋に熟すと鮮やかな赤色になる。果皮の凹部に腺点があり、これを噛み潰すと辛味成分が出て舌を麻痺させる。分果が裂開すると艶やかな黒い種子が現れる。赤く色づいた果実を少量採取して種子を除き果皮を乾燥保存しておけば、上物の自家製香辛料ができる。青い果実や柔らかい葉はそのまま香辛料として使用される。
油点の例:細胞間隙に油滴が貯蔵され、光に翳すと半透明に見える点。サンショウの油点には芳香物質が貯蔵され、これを潰すと芳香物質が発散する。
腺体・腺点:分泌腺等が突起し粒状になったものを腺体又は腺点という。蜜腺は専ら蜜を分泌・貯蔵する腺体(あるいは腺点)である。(正確な定義は分からず)