ユニホームを着るのが好きだ似合わないユニホームならなおさらいいな 谷川由里子
気の合う仲間とフットサルチームを作ろうとなったとき、ユニフォームをしつらえる段が一番盛り上がる(二番目に盛り上がるのはチーム名を決める段)。でも、この歌の「ユニホーム」はそういうのではなく、「似合わないユニホームならなおさらいい」と言っているので、もっと出来合いで制服的な「ユニホーム」だろう。つまりは、没個性で画一的でお仕着せだったりする「ユニホーム」、その「ユニホーム」「を着るのが好きだ」と表明するこの歌は、<制度>へのある種の恭順に読まれるかもしれない。しかし、鑑賞者はその真逆で、戦いの歌だと考える。どんな戦いかといえば、<制度>から<世界>への「ユニホーム」の奪還。「ユニホーム」を没個性で画一的でお仕着せだったりする「ユニホーム」から単なる「ユニホーム」にすること。反<制度>ってわけではないから、この戦いは分かりにくいっちゃ分かりにくいけど、このニコニコとした戦いを鑑賞者は支持したい。
(谷川由里子「ずっとレコード」/「サンカク」(短歌同人誌「一角」3号)、2014年)
気の合う仲間とフットサルチームを作ろうとなったとき、ユニフォームをしつらえる段が一番盛り上がる(二番目に盛り上がるのはチーム名を決める段)。でも、この歌の「ユニホーム」はそういうのではなく、「似合わないユニホームならなおさらいい」と言っているので、もっと出来合いで制服的な「ユニホーム」だろう。つまりは、没個性で画一的でお仕着せだったりする「ユニホーム」、その「ユニホーム」「を着るのが好きだ」と表明するこの歌は、<制度>へのある種の恭順に読まれるかもしれない。しかし、鑑賞者はその真逆で、戦いの歌だと考える。どんな戦いかといえば、<制度>から<世界>への「ユニホーム」の奪還。「ユニホーム」を没個性で画一的でお仕着せだったりする「ユニホーム」から単なる「ユニホーム」にすること。反<制度>ってわけではないから、この戦いは分かりにくいっちゃ分かりにくいけど、このニコニコとした戦いを鑑賞者は支持したい。
(谷川由里子「ずっとレコード」/「サンカク」(短歌同人誌「一角」3号)、2014年)