ちびっこの曲がらぬカーブ打ち返すリトルリーグで遊ぶ七月 片岡聡一
久しぶりに行った小学校の体育館のバスケットゴールの低さみたいなかわいさが「ちびっこの曲がらぬカーブ」にはある。そして、それにダンクをぶちかまして壊してしまうような、かわいくない大人げなさがこの「打ち返す」にはある。でも、主体はただ「遊ぶ」だけで、指導的なことを1mmもおこなっていない。技術的な指導だけでなく、自分の大人げなさを世間の厳しさを教えるみたいな正統化もしていないのはいい。大人げないことは大人にしかできない。
(片岡聡一『海岸暗号化』青磁社、2012年)