何ヶ月か前に録画していたドラマ。
……もっと前に見れば良かったなあ。スキャンダルの前なら普通に見られただろうけど、
イロイロあると作品を見るのに脳内にノイズが入って邪魔なんですよね。
まあそれはそれとして。
そもそもカズオ・イシグロの原作小説がふわーっとした話なんだよね。
当時イシグロの作品をだいたい読んで(といっても寡作な人なので数作)、
それなりに気に入った方なんだけど、今となって振り返ると、
状況をあいまいにして(サスペンスフルにして)、その宙ぶらりんの読み手の心理を利用し、
そこに詩的な文章を使って文学性の高さと錯覚させる……という気がして、
ノーベル賞……?と思うようにはなっています。
まあわたしは読解力がないからね。シンプルに面白いエンタメ小説が好きですよ。
それをドラマ化したものなので、ドラマとして話がわかりにくいという前提はある。
だからといって話をわかりやすくすると、それは全然イシグロではないわけで、
これはそういう意味ではかなりがんばったドラマだったと思う。難しいと思うよ。
イシグロらしい、不安定さ、不安感、ふわふわ感がよく出ていた。
しかしその不安定で不安でふわふわしているドラマが面白いかどうかというのが。
結局節子の台詞の謎とかは明かされませんからね。
これがミステリなら、伏線回収が出来てない!といいたいところですよ。
最後の方で、斎藤博士がお父さまのことを知らないというのも……一体ナニ?と思うんだが。
というか、そもそも何が起こったのかが、なかなか出て来ないのよねー。
見方によっては最後まで出て来なかったと言ってもいい。
本人も疑っているし、他人が断言するわけでもない。
むしろ「気のせいだよ」って言いくるめられている世界。「ガス灯」ですな。
そのサスペンスを延々と見せられるドラマ。
しかしどうかなー。一番ドラマとしてツライというか難しいと思ったところは、
小説と違って、ドラマでは「絵」を見せなきゃいけないじゃないですか。
そこらへんは結局文字で説明するしかない――文字で逃げられる小説が楽。
「絵」を見せちゃうとね、その絵に納得できるかどうかで説得力が全然違う。
あの絵でわたしは納得出来たとはいいかねる。
だって日本画で美人画を描いていた人ですよ?あれ油ですよね?急に油ってどうかと思う。
それまでどんな絵を描いていたのかは結局出て来ないんだからあれだが、
全然関連性がないのではないか。
あと「独善」の文字が。あれは原作由来の言葉なんでしょうか。
独善の言葉の意味がわからないよ。独立した善といいたいのか?とか。
それも無理があるよなあ。
黒田に喋らせないのがイシグロなんだろうね。喋ると決定的になっちゃうしね。
黒田の弟子の演技が上手かったし、台詞回しの台本が上手いなあと思って見ていた。
ただ萩原何某も何だかありましたよね……またノイズが。そもそも渡辺謙もノイズが。
それも遠因だと思うけど、ここ最近、渡辺謙のこってり具合に食傷している。
食傷するほど見てない気もするけど。
ずっといい役者だと思っていたんだけどなあ。今もいい役者ではあるんだろうけど、
上手なのが鼻につく気味がある。年も年なのに脂が抜けずしつこい。
松本白鴎なんかも同じカテゴリですかね。
そろそろ年齢相応に枯れた味わいが出てもいい気がするが……
「国宝」に出るんですねえ。これは原作を読んだばっかりで、
……って、もう1年経ってましたか!?(この時点で5月頭)
せいぜい半年くらい前の感覚なんだが。げげげ。
原作が面白かったので、映画も期待してます。
……もっと前に見れば良かったなあ。スキャンダルの前なら普通に見られただろうけど、
イロイロあると作品を見るのに脳内にノイズが入って邪魔なんですよね。
まあそれはそれとして。
そもそもカズオ・イシグロの原作小説がふわーっとした話なんだよね。
当時イシグロの作品をだいたい読んで(といっても寡作な人なので数作)、
それなりに気に入った方なんだけど、今となって振り返ると、
状況をあいまいにして(サスペンスフルにして)、その宙ぶらりんの読み手の心理を利用し、
そこに詩的な文章を使って文学性の高さと錯覚させる……という気がして、
ノーベル賞……?と思うようにはなっています。
まあわたしは読解力がないからね。シンプルに面白いエンタメ小説が好きですよ。
それをドラマ化したものなので、ドラマとして話がわかりにくいという前提はある。
だからといって話をわかりやすくすると、それは全然イシグロではないわけで、
これはそういう意味ではかなりがんばったドラマだったと思う。難しいと思うよ。
イシグロらしい、不安定さ、不安感、ふわふわ感がよく出ていた。
しかしその不安定で不安でふわふわしているドラマが面白いかどうかというのが。
結局節子の台詞の謎とかは明かされませんからね。
これがミステリなら、伏線回収が出来てない!といいたいところですよ。
最後の方で、斎藤博士がお父さまのことを知らないというのも……一体ナニ?と思うんだが。
というか、そもそも何が起こったのかが、なかなか出て来ないのよねー。
見方によっては最後まで出て来なかったと言ってもいい。
本人も疑っているし、他人が断言するわけでもない。
むしろ「気のせいだよ」って言いくるめられている世界。「ガス灯」ですな。
そのサスペンスを延々と見せられるドラマ。
しかしどうかなー。一番ドラマとしてツライというか難しいと思ったところは、
小説と違って、ドラマでは「絵」を見せなきゃいけないじゃないですか。
そこらへんは結局文字で説明するしかない――文字で逃げられる小説が楽。
「絵」を見せちゃうとね、その絵に納得できるかどうかで説得力が全然違う。
あの絵でわたしは納得出来たとはいいかねる。
だって日本画で美人画を描いていた人ですよ?あれ油ですよね?急に油ってどうかと思う。
それまでどんな絵を描いていたのかは結局出て来ないんだからあれだが、
全然関連性がないのではないか。
あと「独善」の文字が。あれは原作由来の言葉なんでしょうか。
独善の言葉の意味がわからないよ。独立した善といいたいのか?とか。
それも無理があるよなあ。
黒田に喋らせないのがイシグロなんだろうね。喋ると決定的になっちゃうしね。
黒田の弟子の演技が上手かったし、台詞回しの台本が上手いなあと思って見ていた。
ただ萩原何某も何だかありましたよね……またノイズが。そもそも渡辺謙もノイズが。
それも遠因だと思うけど、ここ最近、渡辺謙のこってり具合に食傷している。
食傷するほど見てない気もするけど。
ずっといい役者だと思っていたんだけどなあ。今もいい役者ではあるんだろうけど、
上手なのが鼻につく気味がある。年も年なのに脂が抜けずしつこい。
松本白鴎なんかも同じカテゴリですかね。
そろそろ年齢相応に枯れた味わいが出てもいい気がするが……
「国宝」に出るんですねえ。これは原作を読んだばっかりで、
……って、もう1年経ってましたか!?(この時点で5月頭)
せいぜい半年くらい前の感覚なんだが。げげげ。
原作が面白かったので、映画も期待してます。