プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

☆< バクテン!! >

2022年07月06日 | ☆映画館で見た映画。
この映画を見に行った理由は3つ。

地元が舞台に設定されているから。
89ersの「はっくるず」の縁を感じるから。
「ハイキュー!!」の声優たちがたくさん出演していて、彼らに感謝を感じるから。
全体的にお礼の鑑賞。


そんなに期待して行ったわけではないが……やはり話は薄すぎましたな。
実はテレビシリーズを全く見ていない。そもそも存在すら知らなかった。
そういう状態で見ると、話の薄さはサイゼリヤのランチのスープ並。
むしろインターハイが終わったところから話を始めて、
もう少し深いところまで掘ってほしかった。

最近話が始まらずに最後まで終わってしまうアニメが多いのう。
……まあ1年に2本くらいしか見ないわたしがいうのも間違っているだろうが。
起承転結ではなく、起承承承みたいな。


亘理くんがかわいそうでしたよ。
まるっきり部長としての立場がない。ただでさえ一人先輩なんてツライのに。
しかも後輩の方が技術が上なんでしょ。
そんなところに3年生が戻って来て勝手にやってしまう。ダメだ。

しかしみんなもう少し相談しようよ。
亘理くんが勝手に断るのもダメだし、後輩たちが勝手に承諾するのもダメだし。
亘理くんが勝手に他校に協力要請するのも無理だし。……しかも青森でしょ?
青森遠いよ。亘理くんだけなら自腹でなんとかするとして、
みんなで遠征する旅費はどこから……

話は薄い。安っぽい。でもまあそれは想定内。


絵はきれいでしたねー。最初の鳥さんから好きだった。
青がきれい。青空がきれい。自然描写がきれい。
最近のアニメは本当に絵が進化している。
新海誠の絵の美しさを別格だと思ったのは数年前の「君の名は。」だが、
追い越さないまでもあれこれの作品が並びましたよね。
そんなに大作でもないアニメ作品でも。

しかし絵は進化したが、話は退化。多分退化している。
これ何とかならないかなあ。もう少しアニメ業界に(というかテレビ業界に)
優良な脚本家が増えないものだろうか。
アニメ作品が増えて増えて、粗製乱造になっている昨今。
もう少しいい脚本の作品を見たい。

絵の良さに話を戻すと、静かな静止画とともに、躍動的な体操シーンはナイス。
揃いすぎてキモチワルイ、人工的すぎると思った演技はいくつかあったが、
アオ高のインターハイとか、最後の勾当台公園での演技とかは
きれいだったですねえ。やはりスポーツ物はそのスポーツを描いてこそ。

……まあ、これを見てもわたしの新体操の知識はまったく深まらなかったことからして
深い描き方だったかというとそれは疑問だが、
少なくとも(画的に)しっかり見せようとしてはくれていた。


声優たちは声を聞いても全然わからんかった。
石川界人がキャラ的にまるっきり影山やん!
(これはシルエットを見ただけでそう思った)という以外は、誰が誰やら。
後半になって、亘理君が神谷浩史か!と驚いたくらい。
村瀬歩もいたんだねえ。下野紘も後半までわからなかった。

まあ声を常に意識してアニメを見るのはあまり好きじゃないから
これで良かったのだが。


地元ネタはちょっと笑わせてもらった。
非常にわかりやすい笹かまネタとかずんだネタはやりすぎじゃないかと思ったが、
「むらしま」とか、あと何だっけかな、笑ったのが3回くらいあった。
岩沼を詳しく知っていたら多分街並みを楽しめただろう。
ちなみに勾当台公園は忠実に描いていたが、あんな大きな舞台を作れる場所は
あそこにはないのよ……。いいけど。


こういうアニメだろう、と予想していってそこから一歩も出ない作品だった。
でも腹は立ちませんでしたよ。それなりに楽しめた。
この感想が腹が立っているように見えるのは、「感想」として考え始めると
やはり話の薄さのマイナス面が意識上にのぼってくるからであって……
眺めている間はまあ楽しかったです。








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