観てからちと日が経ってしもうたが、書きそびれていたツボな展覧会でございます。
国立新美術館「カルティエ、時の結晶」
https://www.nact.jp/exhibition_special/2019/cartier2019/
(一部写真撮影可)
カルティエの展覧会は、お供のEが2009年に国立博物館・表慶館で観て以来、約10年ぶりじゃ。
本展では、1970年代以降の作品を中心に約300点の展示。
音声ガイドを無料で貸して下さるのもありがたいのじゃ。
杉本博司+榊田倫之による会場構成も素敵でございます。
檜の白木で作ったケースや、神代杉などで作ったトルソーに展示したり、大きな大谷石がゴロゴロ並ぶ石切場の如き空間に展示したり、須田悦弘の《夏草》や、日本の古美術品と一緒に畳の空間に展示したり。
ほんの一部で、肝心のジュエリーが観づらい所があったのがちと残念じゃがの。
構成は以下の通り。お気に入りの中からごく一部もリスト順に。
【イントロダクション】
杉本博司の《逆行時計》がお出迎え。ここから時を逆行していくのじゃな。
【序章:時の間 ミステリークロック、プリズムクロック】
川島織物セルコンの布を天井から下げ、12本の光の柱にした会場デザインも素敵。
それぞれの柱の中に、針が宙に浮かんでいるような不思議美しい時計が輝いておりまする。
【第1章:色と素材のトランスフォーメーション】
色彩や素材づかいの観点から、作品の表現手法を検証。
1.メタルの技術:プラチナ/スティール/3色ゴールド/ ゴールドの技術
《「ロシアン」ティアラ》1908年 プラチナ、計およそ19カラットのペアシェイプ ダイヤモンド15個、真珠、ダイヤモンド
三日月型のプラチナ台からペアシェイプのダイヤがずらり下がり、真珠も用いた繊細で美しいティアラ。つけてみたい~。
2.石の技法:グリプティック[硬石彫刻、フォッシラ イズドウッド〈化石化した木〉を含む]/ エングレーヴィング/ストリンギング
《ティアラ》1912年 プラチナ、彫刻を施したロッククリスタル、ダイヤモンド
ティアラの形にしたクリスタルに繊細な彫刻を施し、ダイヤを散りばめてあるのじゃ。
3.職人技と装飾技術:エナメル/真珠母貝/カワセミの羽根/ オーガニックな素材(バラの花びら、麦わらなど)/象嵌
4.カルティエのカラーパレット:ブルー×グリーン/ブラック×グリーン /レッド×グリーン/レッド×グリーン× ブラック/「トゥッティフルッティ」/ ブルー×パープル/パステル
《ネックレス》2017年 ホワイトゴールド、エメラルド、サファイア、ルビー、ダイヤモンド 個人蔵
カラフルな無数の石に花のような彫刻を施した、インドのマハラジャなイメージのネックレス。
【第2章:フォルムとデザイン】
1.エッセンシャルライン
2. 球体
3.ニューアーキテクチャー:ジオメトリック/オーガニック
素敵リングが12点ほど並んだコーナーは、展示台が高すぎて、お供のEの身長では側面しか観えませぬ。
側面の素敵さを強調したいのはわかりまするが、やはりリングは上から観たいのじゃーーー!
何ゆえ上からも横からも見えるようにせぬのじゃーーー!と暴れたのでございます。
《ネックレス》1932年 プラチナ、143.23カラットのクッションシェイプ エメラルド1個、ダイヤモンド
143.23カラットもの巨大エメラルドも凄いが、それを引き立てる無数のダイヤのデザインも凄いのぅ。
4.オプティック(視覚的効果):モーションとキネティック/光と透過性
5.アクシデント:意図されたカオス/偶然によるカオス
6.日常の中にある美:インダストリアルモティーフとクチュールモティーフ
《ブレスレット》プラチナ、128.48カラットのダイヤモンド1個、ダイヤモンド 個人蔵
ダイヤの存在感がハンパないブレスレットを、鎌倉時代の地蔵菩薩や掛軸と一緒に展示。
【第3章:ユニヴァーサルな好奇心】
この章は写真撮影可じゃ。嬉しいのぅ。
なかなか上手く写せず、実物の美しさがよう分からぬのが残念じゃが、比較的見やすい写真を20点載せまする。
1.カルチャー 外の世界からもたらされたもの:日本/中国/インド/中東/エジプト/ アフリカ/中南米
異国のデザイン色々。日本チックなものもございます。
《ブローチ》2008年 プラチナ、37.06カラットのオパール、エメラルド、ダイヤモンド 個人蔵
《ブレスレット》2007年 プラチナ、イエローダイヤモンド、ダイヤモンド 個人蔵
《ブレスレット》2016年 プラチナ、ホワイトゴールド、計44.75カラットの彫刻を施したザンビア産エメラルド2個、エメラルド、サファイア、ルビー、ダイヤモンド ピエール・チェン蔵
《ヘアバンド》1923年 プラチナ、ダイヤモンド
《ネックレス》2017年 ホワイトゴールド、計16.21カラットのビルマ産オーバルシェイプ ルビー5個、ダイヤモンド 個人蔵
《「スカラベ」ブローチ》1925年 プラチナ、イエローゴールド、アンティークのブルーファイアンス、シトリン、オニキス、ルビー、エメラルド、ダイヤモンド
《ネックレス》2016年 ホワイトゴールド、91.01カラットのザンビア産カボションカット エメラルド1個、オニキス、ダイヤモンド 個人蔵
《ネックレス》2018年 ホワイトゴールド、計 7.58カラットのオレンジがかったピンクスピネル2個、計8.39カラットの三角形のダイヤモンド2個、スピネル、ダイヤモンド デイヴィッド & レイラ・セントナー蔵
《ネックレス》2014年 ホワイトゴールド、9.03カラットのコロンビア産ステップカット エメラルド1個、エメラルド、黒曜石、ダイヤモンド 個人蔵
2.自然からのインスピレーション 写実から抽象へ:フローラ/鳥/爬虫類/タイガー
動植物モティーフは、やはり楽しいですのぅ。
《ティアラ》1955年 プラチナ、イエローゴールド、ホワイトゴールド、計49カラットのカボションカット ルビー3個、ダイヤモンド モナコ大公宮殿コレクション
《ネックレス》2018年 プラチナ、ホワイトゴールド、51.48カラットのオーストラリア産オーバルシェイプ カボションカット オパール、パープルサファイア、サファイア、ダイヤモンド デイヴィッド & レイラ・セントナー蔵
《「バード」ブローチ》1948年 プラチナ、ホワイトゴールド、ダイヤモンド
《ネックレス》2001年 ホワイトゴールド、サファイア、エメラルド、真珠母貝、ダイヤモンド 個人蔵
《ネックレス》2015年 イエローゴールド、41.99カラットのクッションシェイプ オレンジがかったトパーズ1個、イエローブラウンダイヤモンド1個、ブラウンダイヤモンド、オレンジダイヤモンド、ダイヤモンド 個人蔵
《「スネーク」ネックレス》1968年 プラチナ、ホワイトゴールド、イエローゴールド、ダイヤモンド、エメラルド、グリーンエナメル、レッドエナメル、ブラックエナメル
《ネックレス》2012年 プラチナ、28.15カラットのドロップ型エメラルド1個、エメラルド、ダイヤモンド 個人蔵
《「タイガー」ネックレス》1986年 イエローゴールド、イエローダイヤモンド、ダイヤモンド、オニキス、エメラルド
右《ダブル タイガーヘッド ブレスレット》1989年 イエローゴールド、ブラックラッカー、オニキス、エメラルド
左《リング》2005年頃 イエローゴールド、ブラックラッカー
《ネックレス》2013年 イエローゴールド、86.85カラット エメラルドカットのイエローベリル1個、イエローダイヤモンド、オレンジダイヤモンド、ブラウンダイヤモンド、オニキス、エメラルド、ダイヤモンド 個人
【パンテール タイムレスな象徴】
カルティエの代表的なモティーフであるパンテールが色々。
【カルティエ アーカイヴ ルイ・カルティエの好奇心】
ルイ・カルティエが蒐集した資料や、デザイン画など。
日本の型紙もございました。
会期は12月16日まで。目の保養をなさりたい方はぜひ。
観終わって、同じ新美で開催中の「日展」も観る事に。
https://www.nact.jp/exhibition_public/H31/#191101-1124
(写真撮影は許可を得ておりまする)
が、広~い3つ公募展示室に約3千点の作品というボリュームが凄すぎて、途中で力尽きました~(涙)
こちらの会期は11月24日まで。再訪は無理よのぅ。
そして、正面入口の《吉岡徳仁 ガラスの茶室 – 光庵》を眺めつつ、美術館を後にしたのでございます。
★おまけ話
GPシリーズ・NHK杯が始まったぞよ。ドキドキワクワク
結弦くんの演技はリアルタイムで見たいゆえ、SP&FSとエキシビションは勿論、男子公式練習の時間も予定を空けてあるのじゃ。おほほ
昨日14:40からの初日公式練習1GのNHKライストは、最初から最後まで結弦くんカメラでびっくり。
調子もよさげでホッとしたぞよ。(YouTubeはこちら↓ 音声はナシじゃがの)
そして本日、10:30から2回目の公式練習、19:05から男子SP、結弦くんは11番滑走じゃ。
怪我する事なく、最高の演技が出来ますように!!!