翩翻と翻る日の丸を見ていて、緊張感が身体を奔った。漁船のマストに日の丸を見たのは北の海である。日本の常識や正義が当たり前でない場所である。かつて、梅棹忠夫先生の講義「文明の生態史観序説」を拝聴した時に、農耕民族と遊牧民族との考え方の相違について話された。超情報化社会にありながら、普段農耕民としての生活をしていると、こういう緊張感を意識していないことを知らされた。当時は主義主張が絶対のように云われていた。先生のお話で第三の道があることを学んだ。あれだけ主義を振りかざした人たちは、どこにいってしまったのだろう。
マストの周りを飛んでいるのは、ワシカモメのようだ。
マストの周りを飛んでいるのは、ワシカモメのようだ。