その後も何事も無かったかのように、ヤマガラ達はエゴの実をせっせと運んでいた。これはこの冬は寒くなるのかもしれないなどと思いながら、ベンチに座ったままシャッターを押し続けていた。今期初めての出会いであるから、この間合いが大切なのだ。こちらを知ってもらうために、動かないで立たないようにしている。
芦田川では、トビ、アオサギ、チュウサギ、セグロセキレイ、キセキレイ、カワセミ、ホオジロ、ハシボソカラスが見られた。帰宅後の今朝は、オナガの鳴声で起された、夜明けと共に現れるハシボソカラスを追い立てるのが日課になっているようである。畑に行くと完熟したトマトが落ちていた。真赤に熟れたトマトに手をやるとポロッと落ちるほどだった。朝食後、フォト例会に森へ行くとヤマガラが3羽飛びたった。どうやらエゴの実を運んでいるらしい。
偶然にも、今朝の日本経済新聞の「NIKKEIプラス1」の”ローカル線をゆく”で、JR福塩線が紹介されていた。私たちは福山でレンタカーを借りて、備後矢野にある矢野温泉に宿泊したのだが、その風景が安野光雅画伯の津和野の風景画にそっくりであった。新聞で紹介されている写真は芦田川であるが、その芦田川の中流域を堰き止めて造られたのが三川ダムなのだ。福塩線で一番近いのが備後三川駅なのである。ここで降りて、芦田川沿いに遡ると三川ダムが見えてくる。そこはすでに穏かでのどかな、安野先生の風景画の世界である。同じ中国山地の続きであるからあたり前なのかもしれないが。