楽善な日々

新社会人となった楽と、大学生善、おとん、そしておかんの日々を綴ります。新しい街に引っ越して、新しいスタートを切りました。

仙人になれるくらいの修行

2019年06月30日 | 2019年日記
子育てはときに、それはそれは厳しい精神の修行となる。
そう、勉強をしない子供を見守るひとときは、
インドの山奥での修行に匹敵する。

善も楽も全然勉強しない子だ。
楽はそれでも、親に頼らず自力でなんとかする子。
英語も、どうしてもっていう時以外は、英語教師のおかんにも聞いてこない。
そんなスタンスで、大学に合格するくらいの英語力をどうにかつけた。
これはこれで、あっぱれ。

善はそういう底力がないから、やっかいだ。

善は期末テスト前の最後の週末を過ごしている。
中間テストのあと、
「期末はもっと早くに勉強を始めよう」
と言っていたはずが、
中間テストのときよりもひどい状態。

机に向かうのも嫌なのか、動作ひとつひとつが遅すぎる。
1時間かけて机に座り、1時間かけて鉛筆を取り出し、
1時間かけて消しゴムを取り出し、1時間かけてノートを開くものだから、
朝から勉強しようと思ったのに、あら不思議、昼がとっくに過ぎている。

英語を指導してほしいからと言われ、朝からスタンバイしている私は、
何も事が進まぬまま時計の針が回りゆくのを見つめる。
イライライライラ・・・・・
焦らない焦らない、待つのだ待つのだ。
イライラいイライラ・・・・・
イライラのあまり指先で机をトントンたたいてしまった。
それを見た善は一言。
「うるさい」

くっ!!!!
我慢我慢、善のやる気が出るまで待つのだ。
時計の針は進みゆく。
善は1時間かけてトイレにいく。1時間かけて顔を洗う。
1時間かけて麦茶を飲む、そして1時間かけて席に戻ってくる。
くくっ!!!

やっとテキストを開いたので、助動詞を説明する。
「どう?わかったかい?じゃ、問題解いてみ」
善が顔をあげる。
感情のない魚の目。ゾンビのような表情。
ひえ~!!!

動悸息切れがひどくなり、さりげなく逃げてきてしまった。
頭の血管もぷちっと切れそうだ。
自分の体を守るため、しかたなく逃げてきた。

見守ることの難しさときたら!!

このままこの修行を続けていたら、
絶対、仙人になってしまう!!
ゴータマ・シッダールタに限りなく近づける気がする。

自分自身の魂の救済のため、いったん、休憩します。
世の中のお父さんお母さんは、えらいなあ。
                    おかん




仲間入り

2019年06月25日 | 2019年日記
階段踊り場の窓際に植物たちが日光浴している。
名前がよくわからないから「ぷくぷく葉っぱ」と呼ばれている多肉植物。
プリンが入っていたガラスのコップに活けられているポトス。
二つとも、窓越しに光を浴びて、元気そうにしている。

階段を上り下りするときに、ついつい目が行くので、
よく会話している。
「おー!葉っぱから根っこが生えてきた!!不思議!!」とか
「あらら。コップの水がなくなっちゃって」とか

先日ちょこっと単身赴任から帰ってきていたおとんが、
新たな仲間を持ってきてくれた。
苔の玉から、もみじが生えている。
苔も緑で元気そう。
もみじは、なんと紅葉するかもしれないらしい。
階段仲間が増えた。楽しみがまた増えた。
ドタバタの日常、こんな小さな楽しみが増えてくれるのがうれしい。

そうそう。
ゴールデンウィークに植えたはつか大根は、
ちょこちょこ食卓に乗っている。
庭のはつか大根、葉っぱは蝶々の子供に食べられて穴だらけだけど、
赤い根っこはぷっくり育って丸々している。
緑色のサラダに赤いラディッシュの色はなかなかきれいだし、
ぴりっと辛いので私は好き。
こんな楽しみもうれしい。

苔もみじ、階段仲間になってくれてありがとう。
大事に見守っていこう。
               おかん

遅刻がちな人、朝帰りの人、帰ってきた人、よく寝る人

2019年06月23日 | 2019年日記
善はいつも時間にぎりぎり。
早起きしても結局ぎりぎりになるという不思議な人。
だから、毎朝ドタバタだ。どうにかならないのか。
本人も苦笑交じりに言っていた。
「小学校のときから遅刻魔だから、友達は本当の待ち合わせの30分前の時間を俺に言うんだよね。そうすると、ちょうどぴったり」
友達諸君はよくわかってらっしゃる。

楽は初めての朝帰り。
おかんは昨夜、疲れて泥のように熟睡していた。
楽が帰っていないことに、ぜんぜん気づいていなかった。
夜中、おとんが転勤先から帰ってきて、
「おかん、楽がいないよ」
えー!!!びっくりして飛び起きた。
おとんと二人でラインを送ると、即返信。
カラオケでオールしてしまった、ごめんよー、っと。
おとんが帰ってこなかったら、気づかず朝になって慌てたと思う。
まったくもう。
心配しすぎて、楽を探しているとき、押し入れの中も覗いてしまった。
はじめての朝帰りで、部活の試合に向かう善とすれ違ったらしい。
疲れ切ったOLみたい、と言われたそうな。

そうそう、おとんが昨日の夜中に帰ってきた。
7月はなかなか帰れそうにないので、
夜中に車を飛ばして帰ってきたらしい。
転勤先ではすごく忙しいそうな。
15時間働いた。過労死するーっと言っている。
心配・・・。
楽はおとんと山トークして楽しそう。
家族が1人増えると、にぎやかさが1人分以上増える。
今日はどっさり買い出ししてくれた、ありがたや。

そして、おかんは、最近疲れている。
50歳を目の前に更年期の症状のオンパレード。
仕事も家族との時間も楽しいけど、体が付いてこられないらしい。
夜は電池が切れたように寝てしまう。
本当に、1秒で寝てしまう日々なので、同僚にその話をしたら、
「そういうときって、気絶しているらしいですよ」
えー!!!毎晩気絶しているの?
大丈夫なの?

今日も今日とて、にぎやかに過ぎゆく。
今日の成果は、庭の草むしりしたことと、壊れた傘を解体したこと。
ずっとしなくては、と思いつつしていなかったことを二つクリア!
えらい!!
そして、楽はバイトへ、善は部活の試合へ、
おとんは買い出しへでかけて、誰もいなくなった昼過ぎに、
またしても気絶しながら寝てしまった。
よく寝る人である。
           おかん



おカウンセラーと善

2019年06月18日 | 2019年日記
善は文化祭の振り替え休日の一日。
予想どおり、寝坊してからの、YouTuberとなる善。(視聴専門)
半裸のガタイの大きな男子が、ベッドの上で、
いつまでもごろごろごろごろ。
どうにもこうにも、絵面がよくない。
なぜ半裸で寝るのか!!

昼すぎに買い物に付き合えと誘ってみた。
買い物に行ったその流れで、腰を診てもらいに病院へ行きなさいと。

しぶしぶ着替え、まぶしい外へ出た善。
モグラのように目がやられそうになっている。

もそもそ話しながら並んで歩き、
駅にほど近いショッピングセンターへ。
善は、途中の100円ローソンでアイスを買い、
うまいうまいと少しずつ元気になっていく。
2人で買い物リストをどんどん消化しつつ、ショッピングセンターを練り歩く。

駅で別れて善を病院へ見送る予定だった。
ところが、駅の改札まで付き合えとの仰せ。
一緒にエスカレーターで改札階まで上がって、
手すりに寄りかかって街を見下ろしつつ、しばし善の話に耳を傾ける。

ぽつぽつと語る善。
文化祭、自分なりにがんばったこと。
一組が何分で出てくるのか計算したうえで、長蛇の列を整理しつつ、
貞子役を演じきったそうな。
脱水症状の危機もあったらしい。
準備中の写真も見せてくれた。
白衣を血みどろに塗っていた。

部活がだるいこと。
腰のけがで、行っても楽しくない。
中学時代の野球でも、肘をやっちゃって、ピッチャーを続けらなかった。
そのまま顧問の先生と喧嘩して、スタメンから外された日々を思い出す。
怪我するのは嫌だ。
ハンドボールの投げ方はきついから、気をつけろと先に教えてほしかったよ。
YouTube見ていたら、自分も配信しようかと思っちゃった。
でれでれ見ているうちに、できそうに思えてきちゃった。
バイトしたいなあ。
時間がもったいないからな。
バイトしたら、社会勉強になるかな。ついでにお金も稼げるね。
もっとハキハキ過ごせるかな。
今はでれでれしちゃうから。
でも、文化祭は、自分なりに動いて努力した。
楽しかったな。先生にも褒められた。
打ち上げ楽しかった。
写真見る?

しばし善と立ち話。
なんだ。いろいろと話したいことあるんじゃない。
いつもいつも口数少なくて、不機嫌のくせに。
おかんだって、聞きたいことたくさんあったよ。
話したい事あったら、いつでも話してよ。
おカウンセラーは24時間スタンバイオッケーだよ。
なんでも聞くよ。
いや、なんでも聞きたいんだよ。

聞くことしかできないけどね。

嬉しいひとときだった。
話終えて、病院へ向かっていく善を見えなくなるまで見送った。
                            おかん







山と祭と貞子

2019年06月16日 | 2019年日記
楽は山に行っていた。
今回は八ヶ岳。
大きな大きなリュックを背中にくくりつけて。
ますますパワフルな、山女楽。

善は祭りに行っていた。
高校の文化祭。
ちゃんと役に立っているかと聞くと、
マネキンを血みどろに塗る役をがんばっているらしい。
さすが、美術選択。

土曜日は雨で、一日止むことなく降り続いた。
楽は山で大丈夫だろうか。
脚をすべらす危険もあるだろうに。
善は文化祭、人出はあるだろうか。
せっかく用意したお化け屋敷、お客様来るだろうか。
親は自宅でいろいろと心配してしまう。

文化祭は大盛況だったそうな。
あんなに雨だったのに!それはそれはよかった。
善は貞子の恰好で、行ったり来たり。
シャトルランよりも疲れたそうな。
たくさん写真を見せてくれたけど、楽しそうで何より。
くったくのない笑顔は、昔のままだね。
本日もがんばって、貞子!

楽は一日早く山から帰ってきた。
雨にずぶ濡れのリュックを背負って。

ぴかぴかに晴れた今日、楽の荷物を庭先に干した。
さっき取り込んだら、全部ふかふかに乾いてた。
朝寝坊する楽の顔を覗き込んだら、
小さい頃のまま。
楽しかっただろうに。
どんどん自分で楽しみを追求するところは、昔のままだね。

自分の生活を子供たちふたり、それぞれ楽しく生きている様子。
頼もしい。
山あり谷ありの人生の道、力いっぱい生きていこう。
頼りないおかんも自分の道を力いっぱい生きていくね。
                         おかん