0232_神々の戦い(001)裕也の冒険
--出会い①--
裕也は、家に帰ろうとしていた。
「ここを曲がれば、家の前の道路にでる」
(あれ?でない)
(どういうこと?)
悪い予感がした。
(次元のパラドクス)
裕也は、身を任せて真っすぐ歩く。
何回か交差点を過ぎた。
曲がっていないのに、曲がった感覚がする。
ふと見ると交差点に老婆がいる。
(信号待ちしているのか)
けど老婆は動かない。
(動けないのか?)
裕也は声をかけようとした。
声が出ない。
(何かに拘束されている)
手のひらを胸に持ってきた。
そして、上に向けそっと老婆の命を掬(すく)った。
光が飛んでいく。
老婆は、動き出した。
(誰かが次元に縛(しば)られていたのか。
解放されたようだ)
老婆に閉じ込められていた者は、
裕也を呼んだのかもしれない。
見慣れた路地に出た。
つづく 次回(神々の戦い002)出会い②