闇と光の慈愛のコントラスト(101)新たな時-はじめての犯罪①-
==第二章、闇と光の決着==
--新たな時(014)初めての犯罪①--
-騎士の役目。犯人をどうする?-
まず、差し迫(せま)った作業は、この金塊の発掘場の見張りをどうするかである。
いろいろ悩んだがここにいる者から選ぶしかない。
ゼーデェは、見張りとして残した者が盗んだ犯人だとしても、
見張りに残されて金塊を盗むわけにもいかないだろうと考えた。
モウジィの仲間の2次金塊捜索隊(きんかいそうさくたい)のゲンジェにした。
次にゼーデェは、現場をそのまま残す必要があるとも考えたが、
王政を急ぐ父プリンス王のことも考えて、
早く硬貨(こうか)をつくる必要があるので、
袋(ふくろ)三つに一杯(いっぱい)の金塊(きんかい)を掘って持って帰ることにした。
金塊を盗んだか疑わしい者で残った者は、モウジィの仲間の2次金塊捜索隊の残りのメンバーである。
一番、金塊を盗む可能性の高い者である。
この者達は、今いるもので金塊が不当(ふとう)に盗まれたことを知っている。
しかし、疑わしい者は他にもいる。
モウジィ以外の最初の鉄を探しに行き金塊を見つけた者である。
他にもモウジィが金塊の発掘を話した者がいるかもしれない。
取り敢(あ)えず見張りもいるし容易に金塊を発掘し盗むことは出来ないと判断した。
そうゼーデェは、熟慮(じゅくりょ)し、
まずは、当面の懸案作業(けんあんさぎょう)を進めることにした。
金塊を総合的に管理する責任者を決める必要がある。
ゼーデェとモウジィは、金塊の入った袋を持って父プリンス王の家を訪れた。
「プリンス王。在宅ですか?
ゼーデェです。
金塊を発掘して戻(もど)りました」
暫(しばら)くしてプリンス王が出て来た。
はじめに、金塊を不当に発掘して盗んだ者がいることを伝えた。
プリンス王は、目を瞑(つむ)り途方にくれ、悩(なや)んでいる様に見えた。
「最初の犯罪かぁ」
ため息をついた。
「暫く私に任してくれませんか?」
ゼーデェは、進言する。そして続けて発言する。
「それはそうと、金塊と硬貨を管理する財務担当(ざいむたんとう)を決めませんか?」
「最初に金塊に関わったパアソネにしようか」
プリンス王は、あっさり決断(けつだん)する。
「五大聖人の一方(ひとかた)ですね。
それが良いと思います。
パアソネさんを呼んでまいります。
金塊は、お父さんが預かっていてください」
ゼーデェは、金塊の袋をプリンス王に渡した。
帰り道、パアソネにプリンス王が話があるので王の家まですぐ来てほしいと伝えた。
そして、ゼーデェは、家に帰り食事を済ませると、
20人の騎士の中から一番仲の良いイヤードを選び、
一緒に発掘場の見張りの交代に連れていった。
つづく。 次回(見張り)
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