0070_許しの証(001)裕也日記
裕也は、起き上がり、一番に真奈美を心配した。
途端に、部屋を出て、街に飛び出していた。
周りは依然暗い。
どこをどう歩いたか分からないが、
足が焼けるように痛い。
(これは、民の痛みなのか?)
そのとき、時空を超えて裕也の意志がシンクロした。
そこには、十字架を背負ったキリストがいた。
民の苦しみ、心の痛みで、足が燃えるように熱かった。
「イエス様、あなたは、十分、民の苦しみ、痛みを
知りました。
もう、あなたを苦しみや痛みから解放します。」
裕也の口から湧き出てきた。
イエスは、少し微笑んだように思えた。
次の瞬間、裕也は、真奈美の家の前にいた。
「どんどんどん」戸を叩いた。
「だれ?」真奈美
裕也は、気を失った。
イエスの十字架を苦しみの象徴のように思う人もいるが、
あの天に召される安らかな顔こそ神の子、使いの証なのである。
神に認められ許された証なのである。
「私が認める。私も認める」主なのである。
それは、私が認める神、神が認める主である。
裕也も再び許されたのである。
つづく