悪魔の囁き

少年時代の友達と楽しかった遊び。青春時代の苦い思い出。社会人になっての挫折。現代のどん底からはいあがる波乱万丈物語です。

若葉と青葉と紅葉と

2016-08-01 15:59:54 | 日記
第一話【小さな目】


アメリカから輸入されたTVドラマはスーパーマン・ローハイド・アニーヨ銃を取れ・ライフルマン・突撃マッキーバー・ちびっ子ギャング・鞭と拳銃・コルト45・ララミー牧場・ガンスモーク・名犬ラッシー等々が全て白黒で放映されていた。
日本のドラマでは、ナショナルキッド・七色仮面・快傑ハリマオ・少年探偵団・少年ジェット・隠密剣士・まぼろし探偵など、観ていた。
金のある家は、シェパードやコリーを飼うのが流行った。
そして、近所を散歩させて自慢していた。
また、TVドラマを観ていないと学校で仲間はずれにされた。
『昨日の少年ジェット観た?』
『うん!』
脚を肩幅より広げ、両手を水平に広げた。
そして、左手を腰に当てて、右手を広げて口に持っていった。
『うぅ~・やぁ~・たぁ~』と大声を出し、少年ジェットの真似をした。
『かっこよかったね』
『キン坊!観た!?』
『俺!観ていなかった』
『なんだよ!昨日は、必殺技、うぅ~・やぁ~・たぁ~~をデビルマンから教えてもらったんだよ』
再放送などなかったので残念だった。
また、琴姫七変化等は主役の松山容子さんは、絶世の美女だった。
30分ドラマで立ち回りが半分ほど有り、面白かった。
毎週、家族で胸を弾ませて見ていた。
『毎回、立ち回りが多いから、痩せてきたね』
『そう言えば、頬がこけているなぁ』
噂が流れた。
『最近、顔に、丸みが出たね』
『口の中に綿を詰めているようだよ』
『なるほどな』
しかし、今の時代劇はヅラを被った現代劇で面白くもなんともなくなった。
等が人気で,毎週楽しみに観ていた。
その中でも、恐怖のミーラーはホラードラマで、観るのが怖くてたまらなかった。
しかし、此れを観ていないと学校で話題に入れず仲間外れにされてしまい仕方なく観ていた 。
そして、観ていると夢に出て来て恐怖で目が覚めた。
しかし、怖くてトイレに行けなかった。
ドラマが残り10分のクライマックスに成り、ミーラーが出ると目を閉じていた。
最終回は、美少女に液体の薬を捨てられて、体が粉になって散っていったと思う。
畠山の間隔の長さを計ると300mほどだったと記憶している。
夜7時頃1人で歩いていると、真っ暗な野原の中から恐怖のミーラーが出て来るのでは無いかと思った。
そして、怖くて此の間は、走って通り抜けた。
特に、雨の日はカッパを着て傘を差して歩いていると、地面を叩く雨音が人の足音に聞こえて来た。
『後ろから恐怖のミーラーに付けられて居る』と錯覚を起こした。
すると、急に怖くなり、傘を閉じて全速力で家まで駆け出した。
又、星が出ていると野原全体が薄っすらと見えて来てきた。
風で瓦礫がガサガサと音を立てて動いた。
そして、何かが突然飛び出して来る様な気がした。
すると、溜池からは恐怖のミーラーが這い上がって来た。
『襲い掛って来るかもしれない』と想像すると心臓の鼓動が激しく打ち、恐ろしく成った。
そして、畠山を見ないように目を閉じて掛抜けた。
しかし、昼に成ると、夜の怖さなど忘れて元気に遊び回っていた。
『子供だったのだな』
懐かしく思い出される。
つづく


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