宇宙時間 ソラノトキ

風樹晶・かざきしょう

勝手に趣味ブログ
のんびりしようよ

風樹の独り言

2009-01-23 09:48:28 | 風樹のひとりごと
おはようございます 風樹です。

まだ、掲載したい画像があるのですが、そろそろ新小説の第1話ぐらい出さんとまずいだろう、との思いで発表した“月影の門”第一話です。

これも、本来は、長編の番外編として作った話ですが、そちらをやると終わるまでに何年かかるだろう? という長さになりそうなので、とりあえず前回と同じように比較的短い期間で終わりそうなのをと引っ張り出しました。

そのうち、2,3の話を平行に絡めながら書けるといいな~と思っています。

それまでに、書き手と読み手が飽きなければの、話ですが・・・。

残りの画像も掲載したいし・・・・。

この先は(も?)、ランダムで画像になったり小説になったりすると思います。節操のない奴ですみません。

これからも、よろしくお願いします。
                               風樹でした。
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月影の門

2009-01-23 09:35:29 | 小説 月影の門
 ミイコが初めて彼を見たのは、幼稚園の時だった。
 秋の夜、月影に照らされた同じくらいの年齢の男の子。その時ミイコは、彼が一人ぼっちだ、というように思えた。
 その日以来、ミイコは、彼を月の光の男の子と呼ぶようになった。
 次のその子を見たのは、小学校一年生の時。
 両親だろうか一組の大人の男女に連れられた彼は、以前のような古ぼけたシャツと半ズボン姿とは違い、高級そうなスーツを身に着けていた。
 次に見たのは、小学校3年の時。それは、泣き顔の彼だった。声をあげず、ただ、一人歯を食いしばり、声を殺して泣いていた。
 そのうち、中学生になって学ラン姿を見かけるようになり、友人たちと歩く姿。ある時は、彼女だろうか? 制服姿の少女と並んで歩く姿も見かけた。
 その後も幾度か彼の姿を見かけることがあったが、一度も声をかけることは出来なかった。

 最後に見たのは、月の光の中で別の存在に変化をしていく姿だった。
 それは、蒼く輝く外装に包まれ、二本の角(触覚?)のようなモノと白く透き通る翅が月の光に輝いていた。・・・が、それは、夢だったのかどうなのか、いまいち核心が持てないものだった。

 もしかしたら、月の光が見せた幻なのかも知れない。それとも・・・・。
 その後、彼の姿を見かけることがなくなり、時々、思い出すだけになり、ミイコも大学受験シーズンに突入すると、現実の事に忙しくなり、そして、や~っと、息をついたのは、大学に入学してからだった。
 構内や教室で彼を見かけるものの、声をかけるまでにはいたらず・・・。

「でね、ねね、聞いてよ。それでさ・・・」
 大学構内の食堂、いつものように意味もない会話で盛り上がる。
「で、ミイコもおいでよ、本当にカッコイイんだから」
 そして、はしゃいだ声でミイコを誘っているのは、同じ講義を取っているエミ。憧れのバンドのチケットが取れたと喜んでいるのだ。
 ミイコも聞いた事がある。アマチュアのバンドだがこの校内にそのバンドのメンバーがおり、エミ以外にもかなりのファンがいるらしい。
「ほら、見て。噂を知れば・・・」
 エミの指さすほうを見ると、数人の男子陣がかたまっていた。その中に、いたのだ。あの〝月の光の男の子〟が。しかし
「え、どの子?」
 ミイコは、冷静を装って聞いた。
「あの、赤い髪の・・・・」
 エミは、既に目がハート型になってしまっている。が、ミイコには、鶏のトサカにしか思えない。
「ふうん、あのトサカくんが・・・。もしかして、ロック?」
「勿論、・・・にしても、ミイコ。良く知ってるわね。初めてでしょ、戸坂君見るの」
 それを聞いて、ミイコは、目を丸くした。
「え、あの子。とさか君って言うの。本当に? 私は、鶏の鶏冠みたいだな、って」
「鶏の鶏冠って・・・・、ミイコそれ、あんまりよ」
 あまり声の大きさに、例の男性陣がこちらに気付いた。
「あれ、エミ。チケット買ってくれたんだって? サンキューな」
 そのトサカ君が、隣にいた月光君の腕を引っつかんでミイコ達の席に来た。
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