サン・ジェルマン伯爵は18世紀のヨーロッパで活動した貴族だが、彼には様々な伝説がつきまとっており、「世界史上もっとも謎に包まれた人物」と言える。
彼は数カ国語を話し、ヴァイオリンの演奏や弁舌に長け、医学や歴史の知識も豊富で知識人でもあった。
そんな彼につきまとっているのが「不老不死」の伝説である。
彼が歴史の記録に初めて登場したのが1710年、作曲家ジャン・ラモーの日記である。 そこには「50歳前後の男」と書かれていた。
ところが、それから25年後、今度は「年齢は25歳前後だった」と記録されている。
さらに1750年代にはルイ15世に謁見しているが、この時は40歳前後だったという。そしてサン・ジェルマン伯爵は友人に「本当の私の年齢は300歳だ」と話している。
彼は1784年に死去したと記録されているが、その死、埋葬地については一明不明。
しかも翌年には友人に「ヒマラヤて隠遁する」と伝えたり、フリーメイソンの会合に出席するなど、死んだはずなのにヨーロッパ各地で目撃ざれている。
フランス革命の前には、王妃のマリー・アントワネットに王家の危機を訴えたが、聞き入れられなかっ
たという記録も残されている。
さらに1972年にはテレビで「私はサン・ジェルマン伯爵だ」と名乗る人物が現れ、現代に至っでも彼は生存しているという噂が絶えないのだ。
サン・ジェルマン伯爵を知る人物が書いた回想録には、彼についてこのように記している。
「彼は特殊な秘薬のおかげて何も食べる必要がない、と言っている」
事実、ある昼食会でも伯爵は何も目にしなかったという。中世ヨーロッパ時代、「不老不死」や「錬金術」などの研究が盛んに行なわれていた。
もしかすると、伯爵は不老不死の薬を完成させていたのかもしれない。
また、あまりに年齢不詳で神出鬼没なことから、伯爵は時空を超えることができたのではとも言われている。
彼はいくつかの秘密結社に属しており、そこで時空を超える術を会得したといわれている