ものずき烏の無味乾燥?文

ブログ発想 LP/LD/CD コレクション作業 進行中。ジャズばっかしじゃないかと言われたら身も蓋もない。

ファイブ・スポットの再演

2005-04-17 | 音楽 の 紹介

Eric Dolphy & Booker Little Remembered Live At Sweet Basil





 割を食ってしまったのは、ドナルド・ハリソンではなかったのかな。
ファイブ・スポットで 1961/7/16に録音された歴史的な名演奏を、同じリズム・セクションで再演させるなどという企画を持ち込んだのは、バブルで浮かれた日本人じゃないの。このアルバムだけ聴く分には、いい演奏なのだ。ところがジャズのマニアは、オリジナルのレコーディングと聴き比べてしまう困った性分なのである。
 ますますオリジナルのドルフィーが輝いてしまった。テレンス・ブランチャードとドナルド・ハリスンの双頭コンボは、確かにエリック・ドルフィーとブッカー・リトルと似たような編成で、小気味良い、好ましい活動をしていた。わたしも4枚ほど持っている。それに眼をつけたビジネス・マンが、生き残っていたファイブ・スポットのリズム・セクションとで、再演させるという暴挙に出たわけだ。
 企画としたら面白い、マル・ウォルドロン、リチャード・ディビス、エド・ブラックエルの3人は25年目の再演だから、違う意味での楽しさもあったと思うが、ホーンとリードを担った若手の苦労は気の毒とも言える。なにぶんにも、名の上に名がいくつも重なるくらいの演奏を再現するんだからね。ドルフィーがフルートを演奏しているLike Someone In Love と、なぜかBee Vamp は外して5曲が演奏される。ドルフィーが独自の音色を奏でたバス・クラリネットも試みられているが物足りない。ドナルド・ハリスンには気の毒なライブ演奏になったと思える。
 さてこの再演、誰がリーダーか未だに判らない。ジャケットの記載は長幼の序でマル・ウォルドロン、リチャード・ディビス、エド・ブラックエル、ドナルド・ハリスン、テレンス・ブランチャードとなっている。

"Remembered Live At Sweet Basil" 
                           Paddle_Wheel(JPN)K28P_6450
  The Prophet / Aggression / Booker's Waltz
"Remembered Live At Sweet Basil Ⅱ"
                           Paddle_Wheel(JPN)K28P_6476
  Fire Waltz / Number Eight	

Mal Waldron (p) Richard Davis (b) Eddie Blackwell (ds)
Donald Harrison (as,b.cl) Terence Blanchard (tp) 1986/10/04

※ オリジナルのファイブ・スポット・ライブ ※
"The Greate Concert Of Eric Dolphy" Prestige(USA)P-34002
Fire Waltz / Bee Vamp / The Prophet / Aggression
Like Someone In Love / Number Eight / Booker's Waltz
Eric Dolphy (as,b.cl,fl) Booker Little (tp)
Mal Waldron (p) Richard Davis (b) Ed Blackwell (ds) 1961/07/16


投稿済み・準備中を含め アルバム・ジャケット一覧 を用意しました。
2005/04/17 ものずき烏
(参考)
2005-06-22 エリック・ドルフィー:ファイブ・スポット・ライブ
2005-06-23 ドナルド・ハリソン/テレンス・ブランチャード

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