OSS技術者育成日記

デージーネットでオープンソース技術者を育成する時に私が考えたこと、大切にしていることを書いていきます。

ナンバープレイスでSE力を鍛える

2013-02-09 11:33:06 | 技術者として

■ はじめに


そろそろ新入社員が入ってくる季節が近づいて来ました。内定者の人たちと話をしているとよく聞かれるのが、「入社までにやっておいた方が良いことはありますか?」という質問です。その時に、思っていてもなかなか言えないのが、このナンバープレイスをやるということです。

■ ナンバープレイス


ナンバープレイスってご存知でしょうか?略してナンプレとか、数独などとも呼ばれています。これは、私の勝手な持論ですが、このナンバープレイスがSEとして必要な力を身につけるのに役に立ちます。もともと、パズルゲームですので、楽しくやれて力が付く、とても良い方法です。
ナンバープレイスは、ちょうどオセロ版のような9×9の升目の枠内に1~9までの数字を入れるパズルです。9×9の升を、3×3の9つのブロックに分けて使います。縦、横、ブロックの中で1~9の数字が重複しないように入れていきます。詳しいナンバープレイスのやり方は、ここで説明するのは無意味なので、次のURLあたりを見てもらえば分かると思います。

http://ja.wikipedia.org/wiki/数独

ナンバープレイスの問題は、いろいろな所で手に入ります。ナンバープレイスの愛好家がかなりいるため、問題集のような本も売っています。おすすめは、雑誌です。「ナンプレマガジン」「ナンプレファン」「ナンプレメイト」「ナンプレJOY」など、いくつかの種類で販売されています。どれも、懸賞付きですし、毎回詳しくルールも解説されています。初心者向けから、上級者向までいろいろなパズルを楽しむことができます。

■ 基礎知識を身につける


たいしてルールも読まずに、「まあやってみるか」と思って始めてしまう人も多いかもしれません。私の経験では、SEにはこういう人種がかなり多いです。しかし、大体の場合には上手くいきません。これは、仕事の場合でも同じ事が言えます。きちんと基礎知識を身につけてから開始した方が、はるかに効率が良いです。ですから、最初にナンバープレイスをやる場合には、いくつかの基本的な解き方を解説などを見ながら覚えてから始めましょう。

■ 論理力を養う


ナンバープレイスは可能性を絞り込んでいくゲームです。パズルを解いていくと、「この升には、3と7のどちらかが入る」というように絞り込めない場合が良くあります。この時に、「適当に片方を入れて進めて、ダメなら戻ろう」という姿勢で解いていくと、あっという間に破綻してしまいます。確かに50%の確率であっているはずなのですが、その後も何度も同じ事を繰り替えしていくと...。

0.5×0.5×0.5×.... = 0

確率論的に見ても、あっている確率はほぼ0になってしまいます。ナンバープレイスをやっている時には、一つに数字に絞り込むことができ、確実にOKという状態にならないとダメです。そして、確実にOKということを考えるのが論理性です。様々な可能性を試し、絶対にこの数字しか入らないという証拠を確認しながら、数字を埋めていくのです。

ナンバープレイスの良い所は、最後まで突き詰めて論理的に考える癖が付くことです。これは、SEの仕事の中では、とても重要な能力です。ここで説明した事を、何度も何度も繰り返して行うため、知らないうちに論理的に考えることが習慣付いていきます。ナンバープレイスをやっているだけで、SEに必要な能力が知らないうちに身について行くのです。

■ 計画、行動、チェックという癖をつける


ナンバープレイスでも難易度の高いものになると、高い論理性が要求されます。人は必ずミスをするので、こうした難易度の高いものでは、突き詰めて論理的に考えたつもりでも、間違えることがあります。しかし、間違えたまま進んでいくと、どんどんおかしくなり、どこかで破綻してしまいます。

こうなると、数字を入れた後で、本当に正しいのかを検証していくということが必要になります。

論理的に考えてから行動するというのは、仕事で言うと計画にあたります。そして、本当に正しいかを検証するというのは、仕事ではチェックにあたります。つまり、計画→行動→チェックという仕事で必要な姿勢が知らないうちに身について行くのです。

■ 「問題を解くと楽しいという感覚」を身につける


ナンバープレイスをやってみて、ちょっと詰まると「ああ。もう面倒くさい。」と思ってしまうかもしれません。しかし、こう思う人は要注意です。仕事は、問題発生の連続だからです。例えば、SEの仕事が、手順に書いてある通りに実施すれば誰でもできるものだったとしたら、お客様がわざわざ技術者に頼むでしょうか?

一見すると簡単にできそうなものでも、実際にやってみると上手く行かないということが頻繁に発生します。それを、一つ一つ解決しながら進めていくのがSEの仕事です。ITの技術は、とても複雑ですので、手順があったとしても、考慮されていない事柄があるかもしれません。手順を作った時とは少し状況が違ったりするかもしれないのです。そうしたときに、問題が出るたびに、「ああ。もう面倒くさい。」と思って、モチベーションを下げていたのでは、仕事は進めて行けません。

むしろ、何か上手く行かないことが起きたときに、その原因を調べて乗り越えていく過程を楽しむ必要があります。これは、数学の難しい問題を解く感覚や、ナンバープレイスの難しい問題を解く感覚と同じです。問題は、解決した後の達成感を味わえるチャンスなのです。

ナンバープレイスが楽しいと思えるようになったら、この「問題を解くと楽しいという感覚」が身についたということです。これは、仕事を楽しくやるために、とても大切な能力を身につけたということなのです。

■ 終わりに


この記事を読んでナンバープレイスをやってみようと思った方がいたら、ぜひ懸賞付きの雑誌で始めることをおすすめします。そして、ぜひ懸賞に応募してみてください。
というのは、最初のうちは、上手く行かないとモチベーションが下がり、すぐにやらなくなってしまうからです。しかし、懸賞付きの雑誌には応募期限がありますので、その日までに少しはやろうということで、多少のモチベーションアップになると思います。
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