OSS技術者育成日記

デージーネットでオープンソース技術者を育成する時に私が考えたこと、大切にしていることを書いていきます。

手順書は詳細な作業計画書

2012-06-12 10:19:25 | 技術者として
昨日の朝のMくんのスピーチで考えたことです。

M君は、先週土曜日に、デージーネットが納品したサーバに対して、他社のエンジニアがアプリケーションをバージョンアップする作業に立ち会ってきました。その作業の中で、他社のエンジニアは持ってきた手順書に基づいて作業をしていました。しかし、上手くいかない状況が発生して、途方に暮れてしまったそうです。

見かねたM君がログを確認するようにアドバイスをした所、ログにはエラーが記録されていて、それを直したら先に進むことができました。そんなことが何回か繰り替えされた後、他社のエンジニアなのに、横であれこれ指示を出している自分に気がついたそうです。彼は、手順一つでも根拠や目的を知って使わないと駄目なのだとスピーチしていました。

さて、ここで私は手順書って何だろうと考えました。実は、この業界にいると、このような光景を頻繁に目にします。私は、それをとても情けない状況だと感じます。しかし、手順書を使って作業をすると、どうしても、こういう落とし穴にはとてもハマりやすいのです。デージーネットでは、それを嫌って以前は手順書を作らなかったほどです。

私は、手順書というのは、「作業計画書のうち、より詳細に手順まで記載されているもの」だと考えています。一方で、良く見かける失敗パターンでは、手順書を「作業指示書」として扱っているように思います。

事故が起こるのは、このように手順書を「作業指示書」だと考えているからだと思います。そのように考えていると、次のように考えがちです。

・手順書どおりにやれば上手く作業ができる
・手順書どおりに行うことが自分の仕事である
・指示どおりやって上手くいかないのは、手順書を作った人の責任である

私は、このような考え方をしている人をエンジニアだとは認めません。そもそも、他の人の言いなりに仕事をする姿勢は、社会人としても恥ずかしいレベルだと思います。

しかし、手順書を「作業計画書のうち、より詳細に手順まで記載されているもの」と考えると、このようにはならないはずです。「作業計画書」は、そもそもお客様やプロジェクトの他のメンバーに、作業の計画について説明したり確認をしたりする書類です。それを、より詳細、かつ具体的にしたのが、手順書です。この考え方に立てば、次のようなことになります。

・手順書は作業をする本人が作って、それを他の人に説明するための書類である
・他の人が作った手順書を使って作業を行う場合には、自分で内容を説明できるようにする必要がある。
 つまり、自分なりに内容を吟味して、修正したり、不明点を明確にしたりする必要がある。
 → 一つ一つの手順の、根拠や目的を明確にする必要がある。

作業手順書の内容を自分で説明できるようにするためには、M君が言っているように、一つ一つの手順の根拠や目的まで知らないといけないのです。そのためには、「手順書は、作業計画書のうち、より詳細に手順まで記載されているもの」と考えれば良いのだと思います。

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