監督:ダーネル・マーティン
撮影:アナスタス・ミコス
音楽:テレンス・ブランチャード
出演:エイドリアン・ブロディ、ジェフリー・ライト、ビヨンセ・ノウルズ、コロンバス・ショート、
モス・デフ、イーモン・ウォーカー、タミー・ブランチャード、ガブリエル・ユニオン
2008年 アメリカ
ジャンル:来月ビヨンセのライブに行くのがますます楽しみ
先日、映画「キャデラックレコード~音楽でアメリカを変えた人々の物語~」を見ました。
1950~60年代前半を舞台に、アメリカ音楽史に残るチェス・レコードの興亡を描いたドラマです。
「音楽ってやっぱりいいよな~」と、音楽に浸れる映画でした。
「当時の音楽業界や歴史的状況がわからないと理解しにくい」なんてネットでの映画感想も見ましたが、画面から受け取る情報量が少し増えるだけで映画の面白さを感じるのにあんまり関係ないです。
群像劇というにはあまりにも登場人物達のささいな心情を中心に描いてますし。
その分、淡白な映画に感じるかもしれませんが、画面から漂うどこか上品な雰囲気がこの映画で流れる音楽達にピッタリだったような気がします。
この映画はミュージシャン演じる出演陣がとてもいいです。
ブルース歌手マディ・ウォーターズに演じたジェフリー・ライト(ブルースをちゃんと歌ってるのがすごい)や、チャック・ベリーに扮したモス・デフ(出番は少ないけどけっこう美味しい役でした。演じる本人も楽しそう。)、イーモン・ウォーカー演じるウルフ、コロンバス・ショート演じるリトル・ウォルター(やっぱりハーモニカはいいや)、みんな印象に残るいい演技と熱唱でした。
でも、なんといってもR&B歌手エタ・ジェームズを演じたビヨンセが一番印象的です。
彼女は映画の製作総指揮をするくらい映画に入れ込んでいるのですが、見る前はエタ役でゲスト的出演かなあと思ってたら、役にもとんでもなく入れ込んでました。
エタがチェスレコードに加わるのは60年代なので、登場するのは映画の後半からなのですが、短い出演シーンがやたら密度濃いんですけど。
やっぱりいくら主役の一人とはいえ「ドリームガールズ」での不完全燃焼な扱いに欲求不満がたまっていたんでしょうかねえ。
あ、エイドリアン・ブロディは主役なのにトップシーンを除いて共演者全員に喰われてて印象薄いです。
傲慢な役のはずなのに、彼自身もこの映画に出てたことを忘れてるかもしれないと思わせるような印象の薄い演技でした(やる気がなかったわけではないと思う)。
この映画では、南部アフリカ系の間で歌われていたブルースが北上して、シカゴ、カンザス・シティ、デトロイトなどの南部の都市に流れ込み、シティ・ブルースやロックン・ロールが生まれる音楽史のさわりを描いてるんですが、その音楽に影響を受けてローリング・ストーンズら白人ロックが生まれることをまさかギャグで表現してるとは思いませんでした。この映画でストーンズが出てくるとは思いませんでしたので、あのシーンは笑えました。
あと、「どう見てもそうとしか思えない描写」の保険金エピソードも大笑いしました。
ちなみに隣に座ってた外人グループさんには、チャック・ベリーのエピソードがウケてました。
●オマケ
劇中でエタ・ジェームズに扮したビヨンセが歌った「At Last」(オバマ大統領就任祝賀パーティーでビヨンセが歌って、大統領夫妻がダンスして世界中で有名になりましたね)の動画アドレスをメモも兼ねて載せておきます。
・映画内で披露したビヨンセの「「At Last」
・こちらはエタ・ジョーンズ本人の「At Last」
・おまけでクリスティーナ・アギレラの「At Last」
本物の実力派3人、同じ曲でも歌い方(聞かせ方)は人それぞれですね。
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