実は私は直江兼続があんまり好きじゃなかったんですが、この本の直江兼続はカッコいいです。シブいです。
ただ、この話では彼の存在は大きな縦糸なんですけど主役じゃないんですよね。
【ものがたり】
関ヶ原から10年後。上杉景勝の腹心以上の家族以上な家老 直江兼続の養女・伽羅に家康の軍師 本多佐渡守正信の次男 正重との縁談が持ち込まれる。しかし、伽羅姫に、すでに西軍で島左近と双璧でカッコよかった大谷刑部の忘れ形見佐兵衛を婿養子に迎える。しかし、この佐兵衛がなんとも腑抜け野郎。怒った伽羅姫は、腑抜け婿を鍛えることを直江四天王に依頼。しかも、鍛えるお題が祝言の席で婿を馬鹿にしてた大名に一泡吹かせることだったのだ!さらに婿の話を断られた本多正重が宮本武蔵と佐々木小次郎を従えて四天王に絡んできたりして江戸と京(と、途中の名古屋)の街はもう大騒ぎさ!
上記のとおり、この物語の表の主役は直江四天王。
この本の感想でよく言われることですが、読んでるとどうしても「風来忍法帖」(私は山田風太郎ではこれが一番好きかも。新感線で舞台化してほしいなあ)のあの愛すべき香具師達を思い出しますね。
もっとも、こっちはあの不良ボンクラ連中とは違って当時では一流の侍野郎ども。
ちょっと一言コメントつけて紹介させていただきます。
〇ひょっと斎こと前田慶次朗
初期の作品だったせいか筆が必要以上に力が入りすぎた隆慶一郎と少年ジャンプの某マンガのせいで必要以上に美化されてますが、こっちの慶次郎はひょっと斎の名に恥じずスケベでイタズラ好きなオジさんだあ!しかも、男として悲しい悩みつき!(どうせ来年の大河では史実を無視してアイドルがやるんだろうな。ケッ)
〇上泉主水
あの剣聖 上泉伊勢守の息子。もちろん柳生育ちの斬殺マシーン。でも女性恐怖症。おかげで四天王の中で一番悲惨な目にあってしまいます(笑)
〇岡村左内
私は四天王の中では一番お気に入り。伊達政宗をあと一歩まで追い詰めたこともあるけど博打中毒で切支丹でケチンボという無茶苦茶な性格。しかもスケベだ(笑)
〇車丹波
元佐竹藩の侍大将…て、「侍大将」て聞くと最近見た「隠し砦の三悪人」の阿部さんを思い出すんですが、この作品が映像化されたこの役は彼にやってほしいです。…て、スケベのくせに恐妻家なので奥さんに〇〇〇を鎖で繋がれちゃったりするからまずいかな?
ちなみにこの4人はロリコンではないんですが、「全ては姫様のために!!」主義者でシラノ・ド・ベルジュラックな状況に挑んでいきます。
で、そんな姫様主義者の敵なんですが、これが全員関ヶ原の東軍大名なんです。
加藤清正、福島正則、浅野幸長、蒲生秀行、伊達政宗、蜂須賀家政、平岡勝頼。
うーむ、戦国末期オールスターキャスト。
しかも、まだまだ有名キャラや大久保長安のお風呂(←キャラじゃないだろ!)が出てきます。
ああ、これ以上はネタバレになるから言えなくてくやしい。
しかも、ストーリーは読んでて先の展開が読めない精緻な展開。
でも、これが愉快に爆笑できるゆったり落ち着いた筆運び。
キャラクターも全員が生き生きしていて魅力的。
まさに娯楽のフルコースでした。
しかも、明るい活劇だけで終わらないのがこの話のすごいところ。
この物語の底には、関ヶ原から大阪夏の陣へいたる歴史の凄みと惨さが流れているのです。
その辺をしっかり書いて読者を最後に泣かしてくれます。
この本は文庫で668ページもあるのですが、ラストのラストでなぜタイトルが「叛旗兵」というのかやっと読者に明かされます。
そして、直江兼続の本当の思いと苦しみも読者は感じるのです。
やっぱり山田風太郎はいいです。
今読んでる本が終わったら、買ってあるくせにあまり読んでない明治物もちゃんと読んでいきたいと思います。
追記:「天地人」の原作を読んでないのであまり言っちゃいけないかもしれませんが、やっぱり伊達政宗は悪役キャラのほうが楽しいですよね。
ただ、この話では彼の存在は大きな縦糸なんですけど主役じゃないんですよね。
【ものがたり】
関ヶ原から10年後。上杉景勝の腹心以上の家族以上な家老 直江兼続の養女・伽羅に家康の軍師 本多佐渡守正信の次男 正重との縁談が持ち込まれる。しかし、伽羅姫に、すでに西軍で島左近と双璧でカッコよかった大谷刑部の忘れ形見佐兵衛を婿養子に迎える。しかし、この佐兵衛がなんとも腑抜け野郎。怒った伽羅姫は、腑抜け婿を鍛えることを直江四天王に依頼。しかも、鍛えるお題が祝言の席で婿を馬鹿にしてた大名に一泡吹かせることだったのだ!さらに婿の話を断られた本多正重が宮本武蔵と佐々木小次郎を従えて四天王に絡んできたりして江戸と京(と、途中の名古屋)の街はもう大騒ぎさ!
上記のとおり、この物語の表の主役は直江四天王。
この本の感想でよく言われることですが、読んでるとどうしても「風来忍法帖」(私は山田風太郎ではこれが一番好きかも。新感線で舞台化してほしいなあ)のあの愛すべき香具師達を思い出しますね。
もっとも、こっちはあの不良ボンクラ連中とは違って当時では一流の侍野郎ども。
ちょっと一言コメントつけて紹介させていただきます。
〇ひょっと斎こと前田慶次朗
初期の作品だったせいか筆が必要以上に力が入りすぎた隆慶一郎と少年ジャンプの某マンガのせいで必要以上に美化されてますが、こっちの慶次郎はひょっと斎の名に恥じずスケベでイタズラ好きなオジさんだあ!しかも、男として悲しい悩みつき!(どうせ来年の大河では史実を無視してアイドルがやるんだろうな。ケッ)
〇上泉主水
あの剣聖 上泉伊勢守の息子。もちろん柳生育ちの斬殺マシーン。でも女性恐怖症。おかげで四天王の中で一番悲惨な目にあってしまいます(笑)
〇岡村左内
私は四天王の中では一番お気に入り。伊達政宗をあと一歩まで追い詰めたこともあるけど博打中毒で切支丹でケチンボという無茶苦茶な性格。しかもスケベだ(笑)
〇車丹波
元佐竹藩の侍大将…て、「侍大将」て聞くと最近見た「隠し砦の三悪人」の阿部さんを思い出すんですが、この作品が映像化されたこの役は彼にやってほしいです。…て、スケベのくせに恐妻家なので奥さんに〇〇〇を鎖で繋がれちゃったりするからまずいかな?
ちなみにこの4人はロリコンではないんですが、「全ては姫様のために!!」主義者でシラノ・ド・ベルジュラックな状況に挑んでいきます。
で、そんな姫様主義者の敵なんですが、これが全員関ヶ原の東軍大名なんです。
加藤清正、福島正則、浅野幸長、蒲生秀行、伊達政宗、蜂須賀家政、平岡勝頼。
うーむ、戦国末期オールスターキャスト。
しかも、まだまだ有名キャラや大久保長安のお風呂(←キャラじゃないだろ!)が出てきます。
ああ、これ以上はネタバレになるから言えなくてくやしい。
しかも、ストーリーは読んでて先の展開が読めない精緻な展開。
でも、これが愉快に爆笑できるゆったり落ち着いた筆運び。
キャラクターも全員が生き生きしていて魅力的。
まさに娯楽のフルコースでした。
しかも、明るい活劇だけで終わらないのがこの話のすごいところ。
この物語の底には、関ヶ原から大阪夏の陣へいたる歴史の凄みと惨さが流れているのです。
その辺をしっかり書いて読者を最後に泣かしてくれます。
この本は文庫で668ページもあるのですが、ラストのラストでなぜタイトルが「叛旗兵」というのかやっと読者に明かされます。
そして、直江兼続の本当の思いと苦しみも読者は感じるのです。
やっぱり山田風太郎はいいです。
今読んでる本が終わったら、買ってあるくせにあまり読んでない明治物もちゃんと読んでいきたいと思います。
追記:「天地人」の原作を読んでないのであまり言っちゃいけないかもしれませんが、やっぱり伊達政宗は悪役キャラのほうが楽しいですよね。
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