DOWN IN SMOKE 猫馬鹿無用編

再開!…忘れた頃に…そして、たぶんまた存在を忘れる…

映画「パブリック・エネミーズ」(PUBLIC ENEMIES)

2010年01月11日 | 映画感想

監督:マイケル・マン
音楽:エリオット・ゴールデンサール
撮影:ダンテ・スピノッティ
出演:ジョニー・デップ、クリスチャン・ベイル、マリオン・コティヤール
    ビリー・クラダップ、スティーヴン・ドーフ、スティーヴン・ラング、
2009年 アメリカ
ジャンル:セットや小道具等の画面の豪華さがウォーレン・ベイティとバリー・レヴィンソンの「バグジー」を思い出しました。 
                         

上映中、画面に次々と“いい顔”が連発されるので全然退屈しませんでした。

見る前は『ALI アリ』、 『コラテラル』、『マイアミバイス』と連発で全然面白くなかったマイケル・マンの新作なので心配してたんですけどねえ。
もう通路横の席に座って、退屈だったら逃げる気満々だったんですが、最後まで見れてよかったです<こら

マイケル・マンだから、銃撃戦の撮影に力が入ってるのはいつものことなんですが、今回は新趣向として役者の“いい顔”を撮るのにも全力投球してたようです。
いい顔のフルコース。
ほんのチョイ役のエキストラみたいなオッさん役の役者にも“いい顔”がいるんだからハリウッドってスゴイなーと感心しました。
あ、“いい顔”ってのは「味のある顔」ってことですからね。二枚目とか美人のことじゃないですよ。
だってヒロインのマリオン・コティヤールも、もちろん“いい表情”で撮ってもらってますけど、監督がマイケル・マンですから、正直、キャラの薄いジョニデの銀行強盗仲間のほうが“いい顔”撮ってもらってました。
でも、『マイアミバイス』のコン・リーに比べたら、ちゃんとヒロインさせてもらって天国のような扱いですから。いやー、あのコン・リーの扱いはひどかったな、ホント。

さて、“いい顔”の話を書きましたが、残念な感想もあります。
全員、キャラが薄い。
あれだけ“いい顔”揃えて全員キャラが薄いってどういうこと?
ジョニー・デップとクリスチャン・ベイルを揃えてキャラが薄いって問題では?
だいたい、この2人が共演するから見に行ったのにキャラが薄いってガッカリだよ。
(俺様節が暑苦しいウィル・スミスなら薄撮りしていいですが)
ジョニデの銀行強盗仲間も誰が誰やら区別がつかなくて残念なんですが、警察側はもっと残念。
とくに中盤助っ人にくるベテラン3人組は、すごく“いい顔”して登場するから期待させてくれたのに~。見事に不発。
リーダーのクリスチャン・ベイルのキャラも、ベイルだからそれなりに様になってるけど、途中からはジョニデが演じるデリンジャーと対立関係にあるというより、多すぎる仕事とリストラとノルマに追い詰められて仕方なくデリンジャーを追ってるようにしか見えないんだもんなぁ。
クリスチャン・ベイルが心底“いい顔”したのはリトル・ボヘミア・ロッジでの銃撃戦の時だけのような気がする(香港映画のように相手が死体になっても弾丸をぶち込み続けた時の顔とか)
ほんと、せっかくの共演なのに残念でした。

あ、でもエルロイを読んで、ジョン・エドガー・フーヴァーが気になる存在になった私としては、捜査で堂々と盗聴したり議会で権力的な対立があったりするシーンがあったのはちょっとうれしかったなあ。部下に一方的な指示しかしないとことか。

ところでラストシーンは、てっきりセットだと思ってたら監督のこだわりで実際にデリンジャーが死んだ場所でロケしたとか。
たぶん、手を入れすぎてるからよくわからないけど、どう見てもセットにしか見えないんだよなあ。

【追記】
マリオン・コティヤール演じるヒロインがなぜデリンジャーとそういう仲になるかわからないという感想がけっこう多くて少し意外でした。2人の出会いは普通だし、その後のデリンジャーの強引な口説きはアリ(史実でもスター。しかも演じるのがジョニデ)だと思うし、なによりヒロインが「退屈だった」と話してるし。美人だけど、職業がクローク係の彼女は、デリンジャーに会うまで「自分の人生には何もない」と思って生きてきたんじゃないでしょうか。だから、彼女にとってデリンジャーは自分の人生に突然舞い降りた“素晴らしいものの象徴”だったんじゃないかと思います。だって、彼女「いずれはクローク係に戻るのよ…」てなこと言ってるし…てな妄想具合で2人の関係に違和感もなにも感じず素直に見てました。
だから、あの2人がお互いに惹かれあって、ああいう関係になるのは自然な流れだと思うけどなあ。あれ以上、理由をつけたら説明しすぎのような気がするし。
2人の描写に問題があるとしたら、上記の描写を見てても全然観客が盛り上がらないことではないでしょうか。
さすがマイケル・マン。

           
         自分第一主義のボスの下は大変です

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