DOWN IN SMOKE 猫馬鹿無用編

再開!…忘れた頃に…そして、たぶんまた存在を忘れる…

映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」(MY BLUEBERRY NIGHTS)

2008年04月20日 | 映画感想

監督:王家衛(ウォン・カーウァイ)
出演:ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、デヴィッド・ストラザーン、
    レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマン
2008年 中国(香港),フランス

     

【ストーリー】
恋人の心変わりで失恋したエリザベス(ノラ・ジョーンズ)は、元恋人の家の向かいにあるカフェに出入りするようになる。毎晩、ブルーベリーパイを用意してくれるオーナー、ジェレミー(ジュード・ロウ)と話すことで、徐々に慰められていくエリザベス。しかし、どうしても終わった恋を引きずってしまう彼女は旅に出る決心をする。(シネマトゥデイ映画紹介より)


「欲望の翼」や「楽園の瑕」みたいにトンがったところもないし(この2本はそこがけっこう好きなんですが)、「2046」や「花様年華」のようにハイテンションにカッコつけた作品じゃない、素直にかわいい話でした。
なんだか「恋する惑星」や「天使の涙」と同じニオイを感じます。
でも、「撮影がクリストファー・ドイルじゃない!」という驚きが一番の感想ですかね<それ、どうでもいい

今回の映画がかわいい話になったのは役者陣の力が大きいと思います。
だって、シナリオはいつものカーウァイ作品と同じ調子なんですよから。
舞台と役者をアジアに変えたら、そのまま作れますし。
それが、いい感じで人生の深みをほんわかしたファンタジーっぽく描いたように思えるのは演出以上に役者陣の演技の力にしか思えません
まさか広東語と英語の差ってわけじゃないよね?

以下、役者陣について一言づつ 

〇ノラ・ジョーンズ
  失恋でやぐされたところが、かわいく見えるキャラクター。ラスト、失恋から立ち直って自分を見つめなおした後はかわいさ半減してたし。うん、ジュード・ロウ演じるカフェのマスターの気持ちがよくわかるよ。でも映画ノラ・ジョーンズ、熱演しすぎです。全然、オーラがありません。絶(ゼツ)状態です。まあ、ミュージシャンが映画出るとよくこういうオーラ殺すのに全力を尽くす演技すけどさあ。いいのかな?
 この映画が往年期の香港映画で製作されたらマギー・チャンがやってそう。ちょっと前ならジョウ・シュンかな。

〇ジュード・ロウ
  今回の映画をかわいくした最大の功労者。たぶん彼が出演してなかったら全然違う映画になってたような。彼は、タバコをホントにおいしそうに吸うよなあ。おかげで見てるこっちまで上映中に吸いたくなって困った。しかし、ジュード・ロウは近いうちに
 この映画が往年の香港映画で製作されていたなら間違いなくレスリー・チャン。
  でも、日本資本が入って製作されていたらキムタクが演じてたかも(それはちょっとナルが入り過ぎた作品になるぞ)

〇レイチェル・ワイズ&デヴィッド・ストラザーン
 主役はノラ・ジョーンズとジュード・ロウのはずなのに、この2人のほうが印象に残ります。デヴィッド・ストラザーンのなにかに囚われたゆえの虚無的な視点と、「その場所」を見つめるときのレイチェル・ワイズの視線は実に印象的。この映画で一番得してる気がする。
   ストーカーな夫の愛情を拒否し続ける妻というレイチェル・ワイズの役は、往年の香港映画ならカリーナ・ラウ姐さん。夫はラウ・チンワン。とくに夫役は間違いない(笑)
  
〇ナタリー・ポートマン
    この作品は、NYロケの予算が厳しかったらしいので、途中から旅行く先で様々な出来事(て、二つしかないけど)に出会う物語になったそうです…て、ことは最初のシナリオでは、ローレンス・カスダンの「わが街」を彷彿とさせるような一つの街の群像劇だったでしょうか。そういうことなら今回の彼女のキャラクターもいいアクセントになったのでしょうが、いかんせんロードムビーになっちゃたからなあ。キャラクターとエピソードが弱いのが目立って損した感じ。
  この役は往年の香港映画ならアニタ・ユンが、ツイ・ハークの最高傑作「金玉満堂」(これ大好きだ)で見せた演技でやってそう。



       

しかし、まさかこのオサレな構図が、ポスターのためだけじゃなくラストのオチだったとは…というより伏線をスルーしてたことにビックリしました。

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