オレンジ屋根のピエール

読書好きの覚書。(過去の日記は老後の楽しみ♪)

「ねずみの騎士デスペローの物語」

2005-10-15 15:52:00 | インポート
デスペローは生まれたときから他のはつかねずみとは違っていた。体はことのほか小さいし、耳が大きいし、そして物心つくと仲間と住んでいるお城の中を出歩き、たまたま机に開いて置かれてた本を読み始めた。

それはお姫様を守る勇敢な騎士のおはなし。結末は「二人はいつまでも幸せにくらしました。」・・・なんというステキな響きだろう。そんな夢のような物語を心に深く刻んだデスペローはある日、とてもうっとりするような音楽に引き寄せられある部屋に入る。

そこにはギターをつまびく王様とそのお姫様がいた。つい音色につられ二人の間にたってしまったデスペローに気づいたお姫様・ピー姫は、デスペローの頭をそっとなでてくれた。なんと夢のようなひと時だったことだろうか。

そんな風変わりなデスペローは、仲間たちから、ましてや家族からも危険な存在、はつかねずみの社会を壊しかねない犯罪者として扱われ、裁判にかけられてしまう。

ついにお城の地下牢にいかされるはめになったデスペロー。そこはドブネズミたちが巣食う、一度入ったら二度と出てこれるものがいない恐ろしい場所だった。

だから看守のグレゴリーでさえ、迷子にならないように、足に綱をくくりつけているほどだった。そしてそこには、もっと恐ろしいワナ、恐ろしいことを企んでいるドブネズミのキアロスキューロがチャンスを待っていたのだった。
それはある理由で恨みと憎しみを抱く相手、ピー姫を陥れようとする復讐のワナだった・・・。

小学校4年生くらいから読めるでしょうか。とてもテンポよく読めるお話でした。愛と背信(うらぎり)、そして許すという心をテーマにしたお話です。作者が語る口調は、年齢の低い子どもにやさしく諭してあげるような、教えてくれるような感じです。
2004年度アメリカでニューベリー賞をとった作品です。

*(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*

「ねずみの騎士デスペローの物語」
ケイト・ディカミロ  作
ティモシー・バジル・エリング  絵
子安 亜弥  訳
ポプラ社




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