吾輩は設備設計である

設備設計という仕事に云十年。理不尽なこと自分のぷち自慢、失敗談などを書いています

結露の悩み

2010-04-30 15:42:54 | Weblog
結露の悩みというのは毎年2~3件はあるようだ
今年は最初の相談は ”木造住宅で2階の屋根の中で凄い結露がおこっている”
というもので 何故そういうことがおきているかというと 屋根の断熱が殆どなくて
その屋根の中をなにか目的があるかどうか解らないが循環ダクトが走っているのだ
当然断熱の無い屋根裏が冷えてその循環ダクトを冷やしダクト内の結露がおこっている。
それに加えて屋根裏に居室の湿気が流入しそれが屋根の下地のところで結露しているのだ。
この解決法はただ一つ”屋根の下地を断熱する”というもの
相談者はかなりひねくり回してむしろ新たな結露を呼び込むような案を作っていた
もうひとつの事例は床や商品の結露である
これは季節的なものでしょうがないといえばしょうがないのであるが、
寒い日が続き床のコンクリートがしんしんと冷えたあげくいきなりある日高温多湿の空気が
日本列島に流れ、急に暖かくなったときに起こる現象である。
この現象は梅雨の合間にもおこる現象で。とくに非空調ゾーンの玄関付近やホール部分で
昔からよくおこる現象である。
この現象は自然現象であるし、建築設計の責任ではないし、いままでは放置されてきたクレームである。
でもこないだのは違った。コンクリ床ではなく、保管していた米袋の結露である つまり商品
がジュクジュクに・・・ 仕方なく対策を・・・
ぼくの結論は朝方の簡易暖房しかも冬場は10℃を保て!!というもの
断熱が完璧なら暖房は要らなかったかもしれない
梅雨時期は20℃を保てばいい
よくあるのだが何故このホールは結露して別のホールは結露しない 不思議  ということがある
空調しない、しかも周囲断熱していなにのに床下にヘタに断熱した場合などはこのケース
本来は床下断熱がなければ地熱のおかげでそんなにコンクリが冷え切らなくてすんだのに
返って結露の要因になっていることが考えられるのだ
ま こう考えていくと ほかにも想定外の結露要因はありそうだ
設備家はもちろんだが建築家も結露のメカニズムは究明しておくべきだと感じる
コメント (2)
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大便が流れない

2010-04-17 15:24:12 | Weblog
昨日 ある設計事務所から 電話があって 相談にのってくれ!!
と大慌てである
なにがあったのかと聞いてみると
ある病院の中に多目的トイレがあってそこの便器は自動フラッシュタイプ
その便器だけが便が流れなくて苦情になっているらしいとのこと

それは大変だ 一番気を使ったはずのトイレがしかも身障者が使ったあとで
便が残ってしまうし、自動だから たぶん本人は気がつかずに あとから入った人が
”な~んだこれ げ~ ”と言って流してから座りたいのに自動だからどうしようも
ない なんてことが起こってしまっていたことが想像できる

原因は最新のハイテク技術の組み合わせにあった
自動フラッシュ弁はことが終わって立ち上がればセンサーが感知して水が流れる仕組み
かたやそれに水を供給するのは自動インバータポンプである。インバータは水を使うと
水圧が低下しそれを補う為に電源の周波数を上げて水圧を確保するものである
ところがである 自動フラッシュの開放時間が短すぎてポンプの回転数が上昇するころには
弁が閉まってしまい 結果流れないということが起こってしまって いろんな調整をしたが
お手上げらしいのだ

この物件うちで設計していないので建築事務所も申し訳なさそうに
”うちの設備設計ちょこちょここんなことが起こるんですよ。なんでかな”
その時点で僕は図面をざっと見ていたので
”このひとまじめで手抜きもなく図面も綺麗だけど センスがないね 設備設計によくあるタイプやね”
センスがないとは つまりこういうことだ
ポンプの圧はギリギリで選んでいる(実際は間違いがあり少し不足なのだが)もう1ランク
大きいポンプを選んでも定価では1~2万円位しか上がらない ここでは最上階に施主の家が
ありシャワーの圧のことを考慮すると上のランクを選定すべきだった
そしたら 結果計算に間違いがあっても 今回の事態はもっと違ったかもしれない
計算どおりに 設計図を描くのは やはりセンスを磨く必要がありそうだ
ちなみに僕の案は ポンプの出口に圧力タンクを設置し、弁が流れる為の瞬時の水量確保はモーターに関係なく即座に流れるようにする というもの
現場はあわててその案に向けて動き出しているようだ
人助けは気持ちのいいもである

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設備事務所の数で

2010-04-01 10:15:11 | Weblog
福岡市のプロポーザルが今週公示されました
1件は舞鶴小中学校2万㎡もう1件は博多学園5800㎡
今回はなにかが今までとは違う
残念ながらうちは今回参加出来ないのだ、指名業者でないので
舞鶴は中央大手事務所と地場大手さらに設備地場大手が組まないと参加できない
仕組みとなっている
しかもそれぞれが市の指名業者でかつ売り上げが2.5憶、6千万、4千万とかなり
ハードルを高くしている
おかっしいなあ ”公募型プロポーザル”と書いてある
なにがおかしいかというと建築はいいとして 設備は地場に本社があり指名業者で
売上は4千万円以上となっている
この条件で見えてくるのは建築事務所の条件をクリアーするのはたくさんいる。
でも設備事務所の条件をクリアーするのは10社に満たないと考えられます。
ということは舞鶴に関しては参加JVは10社に満たない・・・・つまり設備事務所の数によって 参加したくても出来ない事務所がいっぱい生じたのだ
設備設計はそんなに重要でしたっけ??!!
では何故そんなルールが出来たのだろうか???
我社のことで僭越だが過去福岡市では目玉と言われた姪浜中と香椎保育所の二つを問題なく
こなしているハズだ。うちに問題があったのなら指名事務所でないとダメ!ということに
なったのは解る。そうではないハズ・・・市民税も納めている 設備課には貢献していないだけ。
何故今回あえて指名業者の条件を付加したのか
過去のうちの2件は指名業者の含む中からうちが選ばれわけで、そういう優秀?な事務所を敢えてはずしたということになる・・・・で、実績は全く考慮されないの?
ひょっとしたら、プロポーザルの中身では設備の提案はあまり重要でなくてどうでもいいし、なんか適当にエコを羅列してもっともらしく見えれば十分だと考えた?
(事実審査員にはエコや環境に詳しい人はいなかったしなあ・・・)
であれば設備事務所の数で参加者が制限されるのはおかしい・・・
市ではなにがおこったのか どういう議論がなされたのか
いずれにしても設備事務所の椅子取りゲームに出遅れたところが参加出来ない
建築事務所の所長さんたち かわいそうでならない
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