吾輩は設備設計である

設備設計という仕事に云十年。理不尽なこと自分のぷち自慢、失敗談などを書いています

大便が流れない

2010-04-17 15:24:12 | Weblog
昨日 ある設計事務所から 電話があって 相談にのってくれ!!
と大慌てである
なにがあったのかと聞いてみると
ある病院の中に多目的トイレがあってそこの便器は自動フラッシュタイプ
その便器だけが便が流れなくて苦情になっているらしいとのこと

それは大変だ 一番気を使ったはずのトイレがしかも身障者が使ったあとで
便が残ってしまうし、自動だから たぶん本人は気がつかずに あとから入った人が
”な~んだこれ げ~ ”と言って流してから座りたいのに自動だからどうしようも
ない なんてことが起こってしまっていたことが想像できる

原因は最新のハイテク技術の組み合わせにあった
自動フラッシュ弁はことが終わって立ち上がればセンサーが感知して水が流れる仕組み
かたやそれに水を供給するのは自動インバータポンプである。インバータは水を使うと
水圧が低下しそれを補う為に電源の周波数を上げて水圧を確保するものである
ところがである 自動フラッシュの開放時間が短すぎてポンプの回転数が上昇するころには
弁が閉まってしまい 結果流れないということが起こってしまって いろんな調整をしたが
お手上げらしいのだ

この物件うちで設計していないので建築事務所も申し訳なさそうに
”うちの設備設計ちょこちょここんなことが起こるんですよ。なんでかな”
その時点で僕は図面をざっと見ていたので
”このひとまじめで手抜きもなく図面も綺麗だけど センスがないね 設備設計によくあるタイプやね”
センスがないとは つまりこういうことだ
ポンプの圧はギリギリで選んでいる(実際は間違いがあり少し不足なのだが)もう1ランク
大きいポンプを選んでも定価では1~2万円位しか上がらない ここでは最上階に施主の家が
ありシャワーの圧のことを考慮すると上のランクを選定すべきだった
そしたら 結果計算に間違いがあっても 今回の事態はもっと違ったかもしれない
計算どおりに 設計図を描くのは やはりセンスを磨く必要がありそうだ
ちなみに僕の案は ポンプの出口に圧力タンクを設置し、弁が流れる為の瞬時の水量確保はモーターに関係なく即座に流れるようにする というもの
現場はあわててその案に向けて動き出しているようだ
人助けは気持ちのいいもである

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