くちエピソード７ 「口」内田和成

すぐ側にいる人が、
『口』を大きく開けて、
アクビをしていたら、
指をつっこみたくなる時があります。

「あ、口開いてる、指つっこもー」

って、なります（笑）

ほとんど、そう思うだけで、
実際には、しません。



数年前、

猫を飼っていたことがあります。
〈キューイ〉って、呼んでました。
茶色のトラ柄の女の子でした。
好物は、カツオのタタキでした。
体が小さいのに、負けず嫌いで、
よく喧嘩をして、怪我をしてました。

〈キューイ〉のことが、大好きでした。

家で、一緒にくつろいでいると、
よくアクビをしてました。
それが、あまりにも、無防備なので、
「指つっこんでみよー」
って、つっこんだら、

はむはむにゃむにゃむ

って、なって、
おもしろくって、かわいくって、
アクビする度に、つっこむようになりました。

〈キューイ〉のことが、ほんとに大好きでした

なので、



すぐ側にいる人が、
『口』を大きく開けて、
アクビをしている時に
指をつっこみたくなったら、

「あ、この人こと、好きになってきてるな」

って、思ってニヤっとしてます。

もし、つっこんだら、
その人のこと愛してます（笑）