中東情勢では、さすがにイスラエルはイランの核施設を攻撃しなかった。しかし、その核施設を防衛するロシア製のミサイルシステムを攻撃した。核施設の破壊は寸止めし、そこで互いに矛を収めるつもりだろう。パレスチナへの強硬さは変わるまい。前述のように(パレスチナ・ガザ地区の悲劇(2) - 支流からの眺め)、米大陸の入植者(侵略者)がNative Indianを駆逐したのと同じやり方だ。侵略者自らが、他の土地で絶滅の危機を経験した背景も同じだ。
中共国では、軍の重要組織が解体され、軍事産業や金融業の指導層の交代(粛清)が更に激しくなった。不動産業や海外からの投資も絶望的で、不当廉売と露国支援で欧米から批判を浴びている。習が一部の国を訪問したが成果は望み薄だ。その中で庶民はGoldを買い漁る。危機のGold買いは昔からの中国人の知恵だ。いよいよ共産党政権の崩壊が庶民に匂ってきたのか。
米国では、復帰を予感してか、各国の要人が次々にトランプの許を訪れている。日本からも麻生太郎がトランプタワーに現れた。生きていれば安倍晋三の役目だが、その名代としては安倍の信任も厚かった麻生氏が適格だ。産業界出身でクレー射撃のオリンピック選手でもあったという点でも、トランプとは気が合うだろう。年齢が上(83歳対77歳)なのも悪くない。
国内では、補欠選挙で自民党が全敗した。(官僚の言うことを)聞くのが得意の岸田首相の立場は厳しく、次の総裁・首相の話が飛び交う。自民党の派閥もすべて解体され、残るのは麻生派だけとなった。麻生がKing makerであることは間違いない。しかし、なぜか麻生自身の名前は出てこない。上記のトランプとの関係を考えれば、最有力ではないのか。
麻生太郎はバイデン(81歳)よりは若く見える。2008年から約1年間首相を務めた(次の首相は民主党の鳩山由紀夫)。資産家で血筋も華やかだ。母方の祖父が吉田茂、妻は鈴木善幸の娘で、現職の財務大臣鈴木俊一は義理の兄弟になる。他にも、岸信介、佐藤栄作、安倍晋三、渋沢栄一、橋本龍太郎、宮澤喜一、岸田文雄などが遠縁に当たる。
英語は堪能で(漢字は得意ではないようだが)、クリスチャンでもある。何よりもあの堂に入った厚かましさは誰にも真似できない。トランプをはじめとする強烈な国家元首と差しでやるには、余人をもって代えがたい。自民党の黒幕として留まるというより、麻生内閣を再度立ち上げ、敗戦の将となった経験を生かして日本の国際的な地位向上に貢献する気はないのか。