烏露戦争の停戦を巡るトランプ・ゼレンスキー(T・Z)会談が決裂した。これで米国による調停は少なくとも先送りだ。日本のメディアはZに同情的で、Z支援を続けるとする欧州諸国と歩調を合わせている。Tに対しては、烏露の喧嘩で火事場泥棒を企てている欲ボケだと言わんばかりだ。
Tの条件は烏のレアアースの協同開発だ。そうすれば、米の企業や国民が烏に入る。利益の一部は米が取るが、露はこれ以上の侵略を自制するだろうという読みだ。対してZはもっと確実な安全保障を求めている(無理だが)。この間に流した烏国民の血が報われないというわけだ。
桂・ハリマン協定のdeja-vuか。時は1905年、日露戦争の勝利で日本は南満州の鉄道敷設権を得た。その鉄道を共同開発しようとハリマンが訪日して協定を交わした。それを、遅れて帰国した小村寿太郎が、日本人の血で勝ち取った満州を強欲米国に蹂躙されるとして破棄したのだ。
しかし、日露停戦の仲介者は米国大統領だった。それなしでは、露に反転されたかもしれない。実際に、日本は大陸の利権を結局は守り切れなかったではないか。米国に利益を取られることを恐れ、もっと大きな利益と多くの日本人の血を失った。何よりJapは信用できない奴だと思われた。
烏露は膠着状態だが、露の方に分がある。ここで米国が口利きをしてきたのだ。但し、只ではやらない。鉱物資源を共同開発しようという話だ。これを自国の資源を取られるのは嫌だ、もしくは、もっと安全の担保がないと嫌だと言っている訳だ。高等戦術で演技しているなら御見それだが・・。
Zは臨戦態勢にあることを印象付けようとしてか、失礼にもいつもの服装でホワイトハウスを訪れた。弱い立場の人が大事を頼みに来る時の恰好ではない。世界中どこでも持ち上げられて、正義の戦争を戦う英雄気取りだ。露の報道官が言う通り、よくぞTは分を弁えないZを殴らなかったものだ。
力による変更は許さない、暴力はダメだ。確かにその通り。しかし現実は力が支配する。露は力の信奉者だ。これを欧州は忘れたのか。北方領土も決して返さない国なのだ。日本は日米関係を優先するしかない。誰と組めばあの執念深いGrizzlyから身を守れるのか熟考すべきだ。