東洋はり医学会 大阪支部

(一社)東洋はり医学会は60年、大阪支部も50年以上、経絡治療はり専門臨床家の学術を支えてきた勉強会・講習会の団体です。

9月23・24日 第34回大阪支部特別講習会の感想  東洋はり医学会大阪支部

2018年10月12日 23時29分22秒 | 支部会感想
9月23・24日 第34回大阪支部特別講習会の感想 
東洋はり医学会大阪支部

【第34回大阪支部特別講習会感想】
 9月23日〜24日、東洋はり医学会・副会長中澤弘先生を招き、「確かな経絡治療家を目指して」をメインテーマに「基礎の確認と経絡治療における運動器疾患」をサブテーマに第34回大阪支部特別講習会が開催されました。

 内容は、1日目に中澤先生の講演「経絡治療における運動器疾患」。
実技は基礎班と研修班の2班に分かれ、取穴(陰経七穴)、基本刺鍼、証決定、小里方式。基礎班・研修班合同にて棒灸、温熱灸の使い方、及び鍉鍼・円鍼・ザン鍼の使い方。 

 2日目(午前)に臨床実技解説として、①老化や一般生活と運動選手等の運動器疾患の捉え方の違い。②アスリート(障害)に対する経絡治療。
③五十肩。④脊柱管狭窄症からの足の痺れ。⑤股関節疾患。⑥膝疾患。
 いずれも、中澤先生より経絡治療家としての立場から解説と実技指導が行われました。
 午後より、大阪支部員による治験発表、演題「上腹部痛」。
最後に総合質問会等が行われ閉講しました。

感想 其の1
今回は、経絡治療における運動器疾患ですが、アスリートも一般も本治法が大切で、気の流れを良くして、その上での標治法という点で、どういう時も対応が出来るということでした。
気にせず、普通にという事で、安心しました。
怪我の時にも、落ち着いてということでした。

次に実技ですが、刺鍼時、左右圧が強く、進んでいないという事でした。
当たった感じは有るのですが、脈に変化が診られない事が多かったのはそこだったのだとわかりました。
あと、抜鍼時の左右圧に下圧が加わる事も注意されました。
それらも気をつけていこうと思います。
臨床の実技、五十肩ですが、胸鎖関節の辺りも診ると良いようなので注意して診ていこうと思います。

感想 其の2
 私は、初学者ですので、基礎班に属しておりましたが、基本刺鍼(特に補法)に於いて、中澤先生より、押手に鍼を通す際、皮膚に接触するタイミングが速いので、先ずは押手の中で皮膚から5〜10ミリ間隔を開けて、ゆっくり鍼先を進めていき、その際、押手の左右圧と底面に注意する様、助言を頂きました。
 補法は銀鍼を使用するので、私の場合、刺入の際、よく鍼体が撓んでしまい、皮膚への接触の感覚が判らなくなる事が多かったので、今後、ご教授頂いた事を実践出来る様に、フォームから改善してみようと思いました。

 又、私は皮膚面の虚実の触知が苦手で、これは自分の感覚神経が鈍いと半ば諦めていた所もありましたが、中澤先生より、「皮膚の変化は微妙な感覚になるので、誰しも最初は触知が困難、故に判らないうちは、先輩等熟達者が示した部位を触り、その変化を僅かでも感じていく訓練をすれば、いずれ判る様になる」との助言を頂きましたので、今後、これを課題に励んでいきたいと思いました。

 あと、臨床実技解説では、経絡治療家の立場から主要な症状に対して疾患別に一連の治療プロセスをご披露・ご指導頂きましたので、今後、疼痛治療をする際、とても参考になりました。
 中でも運動鍼(深瀉浅補を用いる)と温熱灸(温灸器使用)は是非、取り入れたいと思いました。

 最後に今次特別講習会では、本部より中澤先生をお招きし、種々講義及び実技・指導等をして頂きましたが、支部員一人ひとりに対して、手から手にとても丁寧に且つわかりやすく、又、真摯なご対応を頂き、本当に有意義な2日間となりました。
 今回、教えて頂いた事を少しでも身につける様、今後精進したいと思う次第です。


■お問い合わせ

随時、聴講・入会受け付けております。
聴講初回は、無料、2回目以降は、学生1500円、有資格者3000円となっています。
聴講等の際は、事前に御連絡下さい。

お問い合わせやご質問は、メールにて 

または、お電話にて、
  0721-52-5999   阿部はりきゅう院

までご連絡下さい。

次回、大阪支部会は、平成30年 2018年
 10月21日 第3日曜日 エル大阪608号室


東洋はり医学会 趣意書

 文化の進展は瞬時の猶予をも許さず、今や鍼灸術も世界の医学界に登場するところとなった。
 翻って国内においては、これが科学化の掛け声と共に種々な研究が進められてはいるが、その大勢は鍼灸の臨床における諸現象を現代医学によって解明せんとするものの如くである。即ち、経穴を刺激の部位となし経絡はほとんど顧りみない状態であるが、かくては数千年の伝統を誇る東洋医学の真髄を学ぶことは全く至難となる。
 病体を気血の変動とし、その病変を経絡の虚実として統一的に把握し経穴を診断と治療の場として補瀉調整する経絡治療こそ鍼灸術本来の正道である。しかして、この学理と術技を体得せしめて、真に病苦除去の実力ある鍼灸人を育成することこそ、その科学化に優先すべき必須要件であるが、不幸にしてこれを誤る時は、その鍼灸術、すなわち我が祖先の偉大な文化遺産を後世に伝承することは全く不可能となる。
 ここにおいて、我々志を同じうする者、相図って東洋はり医学会を結成し別紙綱領の完遂を期す。
 以上の主旨を諒とせられる同志は、来って本会に投ぜられんことを広く業界の諸君に訴える次第である。



綱  領
1.我々は臨床を通して古典を再検討し、病体を通じて経絡経穴を把握し、以て伝統的な鍼灸術の本道を体得せんことを期す。

1.我々は正しい経絡治療の学理と術技を修得することによって、鍼灸人としての人格と実力を涵養し、以て鍼灸家の社会的地位を確立せんことを期す。

1.我々は古典による経絡理論を正しく理解実践し、経絡経穴の普及啓蒙に努め、以て偉大な祖先の文化遺産を伝承せんことを期す。



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