毎日父さん 「白血病日記」

病気の経過や患者の思いなどをまとめてみました。「毎日父さん」は西原理恵子さんの漫画「毎日かあさん」からヒントを得てます。

白血病になってしまった

2024年07月11日 | ノンジャンル

 私は60歳代の男性です。2004年2月に急性骨髄性白血病を発病しました。所謂「がんサバイバー」です。私は仕事柄、様々な患者さんと接する機会がありますが(と言っても医師ではありません)自分自身が病気(しかも「がん」です)になってしまい、今まで患者さんの声を聞いているようであまり聞いていないのではないか、わかっていたつもりでもわかっていなかったのではないか、そんな思いが残ります。

 闘病記・体験記は数多くありますが、患者さんにはそれぞれの人生があり、それぞれの経過があり、個別的です。「個を追い詰め/解読することが/普遍でありうる」(がん患者学Ⅰ 柳原和子 中央公論社)のは真実です。個別的ですが、そこには多くの共通点があることも確かでしょう。「あー自分もそうだった。あの時のこの出来事はそういう事だったのか。自分も同じだな」ということは多いと思います。そんなことが患者さんの気持ちを落ちつかせるし、家族の不安の解消にも役立つように思います。少しでもそんなことにでも役立てばと思い、まとめてみました。

 また、医療者や関係者の立場からすると、個別的であればあるほど客観化しにくいし、少し整理して一般化して欲しい、という希望もあるでしょう。仕事で患者さんと接して、自分自身が患者にもなり、少しでも個別性と一般性・客観性を近づけてみたい、そんな思いもありました。
 そのため、「闘病の記録」については少しは客観的な記録として心がけたつもりです。カテゴリーの「闘病の記録」から入っていただき,昔の記事から最近の記事の方へ読んでいただいたら読みやすいと思います。
 
 でも、病気の診断、治療法については人によって異なりますので、私の記録は参考にしていただき、十分主治医と相談して欲しいと思います。

(コメント等について、管理人承認後、掲載しますのでご了解ください。また、gooに移行しました。広告が掲載されますのでご注意ください。管理人とは関係ありません


フランソワーズ・アルディさんが亡くなりました

2024年07月10日 | 毎日父さん

 昔のグループが再結成されたとのテレビの音楽番組を観て、あの歌手、グループはどうしているのだろうかと思い、ネットで何人か検索してみました。そこで、フランソワーズ・アルディさんが今年の6月11日亡くなられたことを知りました。2004年より悪性リンパ腫で闘病していましたが、その後もレコードを出し、コンサートもされていました。病の悪化により亡くなられましたとのことです。

 

 フランソワーズ・アルディさんは1960年代半ばからフランスで活躍していたポピュラー歌手です。日本では70年代前半に「さよならを教えて」がヒットし、当時フレンチポップスといわれていました。高校生だった?私はラジオから流れる歌声に胸を躍らせ、きっと美人に違いないと想像力を働かせていいました。

 ラジオのDJから「アンニュイ」なる言葉を聞き、意味も分からず「アンニュイだな」と使っていました。ネットやyou tubeもなくどんな人かも、どんな歌い方をするかも想像するしかありません。

 田舎のレコード店にはレコードを売っておらず、お上りで東京に行ったときにLPアルバムを買った記憶があります。当然アルバムジャケットには写真が何枚もあり、やっぱりきれいな人と再確認しました。

 70年代の終わりにテレビドラマから懐かしい声が聞こえてきました。TBS系列の「沿線地図」です。「もう森に行かない」が主題曲に使われました。当時テレビを観てなかったのでドラマの記憶はほとんどないですが、曲は蘇ってきました。

 その後、レコードは時々聴き、ステレオのプレーヤーが壊れてからはCDを買い、ここ数年はYou Tubeで60年代の古い映像を観ていました。

 

わが青春の思い出とともに・・・・・

ご冥福をお祈りいたしします。


健康保険制度について考えてみた①

2024年07月01日 | 患者学入門

  久しぶりに社会保障論の教科書の「健康保険制度」(ミネルヴァ書房 スタートアップ経済学③)の項目を読んでみました。そこでは日本の健康保険制度の特徴として「①国民皆保険②フリーアクセス③現物給付方式」が挙げられています。「①何らかの健康保険に強制加入することで、病気やけがをした場合にいつでも健康保険の給付を受けることできるという意味で、受診機会の平等が保障される ②どこの保険医療機関でも自由にいつでも保険を利用した医療サービス受けることができるフリーアクセス ③保険負担分については立て替え払い等の必要がなく、一部負担分を窓口で支払うだけで、医療サービスを直接うけることができる現物給付方式である。」

 私なりに簡略化すると①平等②自由③の現物給付方式と本人負担のセットは適切な運営管理といってもいいかもしれません。

 以下は保険診療の流れです。

 

               厚生労働省 ホームぺージより

その結果

2000年には世界保健機関(WHO)から日本の医療保険制度は総合点で世界一と評価されました。

けんぽれん[健康保険組合連合会] (kenporen.com)

 


健康保険制度について考えてみた②

2024年07月01日 | 患者学入門

 しかしながらその後、高齢者の増加、経済の伸び悩み、財政状況の悪化、医療の高度化に伴う医療費の増加などのため今後の健康保険制度の維持がむずかしくなっていると指摘されています。人口の多い団塊世代が後期高齢者となり、後期高齢者の医療費が今まで以上に増加することや年金生活者等の無職の人や非正規雇用が中心になりつつある国民健康保険の財政状況の悪化など問題点が数多くあります。

 その問題点や改善策について解答はひとつではないのですが、私なりに前記の「保険診療の流れ」のフローを観て気づいたことがあります。

 それは患者(国民・市民)と医療保険者・審査機関との関係です。ここでは保険料の支払いとなっていますが、実際には病気の予防のための検診のお知らせ・保険料のお知らせ・医療費のお知らせや高額療養費のお知らせと支給手続きのお知らせなどあります。(なお、医療保険者と審査機関は委託・受託の関係で一体的といえるかもしれませんがむしろ分けた方がいいかもしれません) 

 同じ現物給付型の社会保険である「介護保険」では介護保険サービスの苦情相談の窓口として市町村(保険者)とともに審査機関である国民健康保険団体連合会があります。医療保険では医療安全相談窓口が医療の苦情相談を設けていますが、私が調べられる範囲では審査機関では医療苦情相談受けつけてはいないようです。

 審査機関には膨大な医療にかかわるデータの蓄積があるかと思います。相談にこのデータが活用できないかと思うのです。相談だけでなく医療の質の向上や効果的な医療サービスの提供に役立つと思います。

 一医療保険者、一審査機関ではむずかしいでしょうが、連携することにより、また診療報酬請求は電子請求になっていますので、AI等の活用により解析できることもあるのではないでしょうか。一定の傾向しかいえないと思いますが、それを個別研究に統計データを提供することにより、またフィードバックすことにより活用可能と思います。逆に活用しない手はないと思います。もちろん個人を抽出するような研究の場合は同意が必要です。

 しかし現実には困難があります。国立がん研究センターの研究グループが以下の研究をしていますが、かなり難しそうです。がん罹患の有無の判定でも難しそうです。

「2022.09.28 レセプト情報を用いたがん罹患把握の正確さについて」

現在までの成果 | JPHC-NEXT (ncc.go.jp)

基本的な「罹患の把握の正確さもむずかしい」というのであれば、診療報酬の請求と支払いのあり方、診療報酬明細書のあり方に工夫が必要かと思います。また、解析できる人材も必要です。


健康保険制度について考えてみた③

2024年07月01日 | 患者学入門

 患者側からするとどんなことが考えられるのでしょうか。ビックデータを活用し、それを基に個別な課題について得られた研究結果は一定の信頼性があると思いますし、更なる検証を経て所謂ガイドラインにも反映されれば、エビデンスに基いた診療に結びつきます。

 ネット等に氾濫する医療情報にふりまわされることなく、必要な情報にアクセスしやすくなる。いくつかの意見を比較検討しやすくなる。患者の選択や主体性に寄与できるのではないでしょうか?結果医療の質の向上にも役立つ、と思うのですが・・・