ちょっと精神的に落ち込むと犯罪動画を見ている自分がいる。
猫が言う。
こりゃ、まずいなと思う。
シリアルキラーの話を聞いていると気持ちも重くなってくる。
重くなってくるくせになにやら自分のほうがまだ幸せだと確認してホッとしているのだ。
なんだか、あさましい最低人間であるような気がしてくるではないか。
貧しさが人の優しさも礼儀も失わせるであろうことはわかっている。
子どもを慈しむことのない家庭に育てば心が干からびて他者に対しての優しさを持つことが少ないこともわかっている。
犯罪を起こさず犯罪に巻き込まれることなく今まで暮らせていたのは有難いことなのだと思う。
ただ、幸運だっただけ。
私が偉いわけじゃない。
猫が言う。
「とにかくさ、犯罪動画を見るのやめなよ。大好きな英国の動画とかにしてさ、僕らに美味しいもんちょうだい」
猫の方が私よりお利口さんなのである。
