チョコをかじりながら日本茶で体を目覚めさせる。
すぐにエンジンがかからなくなった。
機械だって人間だって古びてくれば同じなんだなと実感する。
古びてくるといえば私が一番好きな映画は「バベットの晩餐会」だ。
デンマークの寒村が舞台である。
登場人物はみな古びている。
家も服も暮らしも全てだ。
海風が激しいのだろう。
家々は大地に根を張るようにしがみついている。
窓は小さく、ガラスが高価であったとわかる。
だが人々は少しでも家のなかで陽の光を感じたいのだ。
ガラス磨きも水をかけて布で拭く。
湿度が日本よりずっと低いのだろう。
貧しい暮らしでもある。
だがどこか美しい。
この映画の内容はもっと違う視点で受け止めなくてはならないのだと思う。
思うのだけれど私は村でたった一軒だけの郵便配達まで兼ねる雑貨屋の店内やバベットの働く台所や外階段で上がる天井の低い彼女の寝室に目が吸い寄せられる。
エンターテイメントなワクワク映画も嫌いではない。
年々、ついていかれない気もするがそれも映画の醍醐味だから。
もう一欠片、チョコを食べよう。
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