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東葛総合法律事務所友の会

千葉県松戸市で"法律"をキーワードに集う市民の会

「自分はもうどうにもならなくなって『やりました』と言ってしまいました」足利事件に学ぶ

2011-01-11 18:30:18 | 日記


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東葛総合法律事務所友の会は、1月27日(木)午後7時から、
布川事件の学習会を東葛総合法律事務所にて開催します。
「ショージとタカオ」の桜井昌司さんと杉山卓男さんが参加します。
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日弁連=日本弁護士連合会のwebサイトに、

日弁連が取り組む重要課題
取調べの可視化(取調べの全過程の録画)実現


という特集がありました。
短いものなのでご一読をお奨めします。

さて、「ショージとタカオ」のお二人、桜井昌司さんと杉山卓男さんが「えん罪仲間」と呼んでいる、えん罪事件で無罪を勝ち取ったり、無実を訴えている人たちの中に、足利事件の菅家利和さんがいます。

足利事件では、自白の任意性という問題点よりも、当初のDNA鑑定の誤りという事実が決め手となって菅家利和さんは無罪となったと思われますが、なぜやってもないことを自白してしまったのか、という点について記者会見の様子を見ると、雰囲気が伝わってきます。

ビデオニュース・ドットコム より

8分強のビデオですが、重要なのは冒頭の1~2分、菅家利和さんの肉声です。

http://www.youtube.com/watch?v=eDsA2CwOPD0&feature=related

「自分はもうどうにもならなくなって『やりました』と言ってしまいました」

やってもいないことを(しかも殺人事件ですから、最悪極刑=死刑まで言われかねない人に)「やった」と言わせる警察官の「捜査技術」はたいしたものです。

全面可視化が実現すれば、この「技術」が使えなくなり、検挙率が低下し、治安が乱れる、という警察庁の言い分のどこに道理があるのでしょうか。

次回は、ネット上に散見される、可視化反対論者の言い分を整理して検証します。


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2011年2月12日(土)13時
「ショージとタカオ」上映会inまつど
松戸市民劇場にておまちしています。
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東葛総合法律事務所友の会






「取調べ可視化法案、来年の通常国会提出目指す」というニュースの意味は

2011-01-07 16:29:33 | 日記
YOMIURI ONLINE からの引用です。
 
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政府・与党は5日、犯罪捜査の取り調べの録音・録画(可視化)に向けた刑事訴訟法の改正案を、政府提出法案として国会に提出する方針を固めた。
 法務省が今年6月をめどに具体的な制度設計を公表し、早ければ今秋の法制審議会(法相の諮問機関)に制度改正を諮問、2012年の通常国会への法案提出を目指す。
(中略)政府は、検察の立証や検察組織に対する信頼回復のためにも、法制化が不可避と判断した。
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この報道をどう受け止めたらいいでしょうか。

これで前進、良しとするという人もいるでしょうが、批判的な論調としては

・法制化など待たずに警察や検察が独自の判断で可視化すればいい。
・民主党は野党時代に2度、可視化法案を提出している。それをそのまま出せばいい。
・可視化法案でなく「完全」可視化法案でなければ意味がない。

と、いろんな意見があるようです。
しかし、批判論者の間で一致しているのは「民主党(政権)への失望」です。

大谷昭宏事務所のサイト より引用します。
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民主よ「可視化」はどうした
― 司法の諸悪が凝縮した「布川事件」 ―

それにしても新政権はどうしたんだ。マニフェストに「取り調べの可視化」はきちんと謳っている。基地問題や景気対策はおいそれとは行かないだろう。だが、こういう人を二度と出さない施策はいますぐに出来るではないか。何をしているんだ、民主党。
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この大谷昭宏さんの記事は1年以上前のものですが、今読んでもちっとも色あせていない。つまりこの1年、民主党政権は可視化問題を「放置」していた、ということで、さらに可視化実現まで今から1年以上かけて、しかもその間に法務・警察官僚の言い分をしっかり取り入れるというのです。

「ショージ」こと桜井昌司さんのブログ「獄外記」1月6日の記事で、この報道に関連して、
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「民主党が可視化法案の今年度提出を見送り、来年にする方針だと言う。全く困った政党だ。
可視化法案は、単なる捜査の問題ではない。強制力を伴う法律の行使に際して、国民の人権を守る重要な手段なのだ。警察や検察の捜査手段の一部であるがごとき論は、全く事実を見ない牽強な論だろう。」
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と、可視化の法制化を、それももっと早く!という意見です。

また、桜井昌司さんの怒りについて補足すると、
こんな記事が参考になるかしれません。

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時事ドットコム「政府『全過程』固執せず」「捜査の武器も必要」

警察を監督する中井洽国家公安委員長は昨年9月の就任会見で、可視化を実現したいと述べた上で、「(捜査当局が)犯罪摘発率を上げ、スピード化できる武器を持たせる必要がある」と強調。可視化を先行すると、検挙率が低下するといった悪影響が懸念されるため、おとり捜査や司法取引などの本格導入を検討する考えを示し、一方的に実施すべきではないと明言した。

 今年2月には可視化を強く求める弁護士のほか、警察や検察、裁判官のOBらを含めた有識者12人の研究会を設置。可視化、おとり捜査、司法取引に加え、通信傍受や容疑者DNA型データベースの対象拡大など捜査全体のあり方を議論し、2年後をめどに報告をまとめる。

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取調べの可視化は警察にとっては「犯罪摘発率を下げ、スピード化に反する」「検挙率が低下する」ので、可視化と引き替えにおとり捜査と司法取引を導入する、というルートマップを警察は示しています。

では、取調べの可視化は、本当に警察の言う"デメリット"を生じさせる、大げさに言うと国益に反することなのでしょうか。

答えはノーです。
国民が望んでいるのは、なんでも有罪で、スピードアップ!ではありません。今の警察・検察の捜査方法は正しくないし、裁判所もおかしい。人権に配慮した丁寧な取調べと公正な裁判を受けられていない現実を変えることが必要で、今以上に警察権力の強化など望んでいません。そしてその改革を政権に就いたときには実現する、と約束していたのが民主党です。

警察・検察のやろうとしていることは、彼らにとっては「災い転じて福となす」で、市民の側から見れば「角を矯めて牛を殺す」というものです。

民主党に猛省を促しましょう。

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2011年2月12日(土)13時
「ショージとタカオ」上映会inまつど
松戸市民劇場にておまちしています。
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東葛総合法律事務所友の会


「ショージとタカオ」上映会まであと40日足らず

2011-01-05 01:00:59 | 日記


「法と民主主義」は、日本民主法律家協会という法律家団体が定期発行している、少々専門的な月刊誌です。

この「法と民主主義」の最新号に「検察の実態と病理~真の検察改革を実現するために」という特集記事があり、その中で布川事件も取り上げられています。

「・・・検察によって造られた「冤罪」と闘ってこられた貴重な経験を、事件の代理人として、あるいは当事者として、また取材者として、下記の15件の事件について、検察に焦点をおいた報告をお書きいただきました。
 事件報告一つ一つから、検察の病理の深さとそれを放置してきた憤りが伝わるとともに、真の検察改革の実現に向けて取り組むべき課題が見えてくるように思います。」
「■事件報告一覧
三鷹事件/松川事件/松山事件/鶴見強盗殺人事件/草加事件/足利事件/東電OL殺人事件/大阪小切手詐欺事件/富山・氷見事件/志布志事件/福島県ゼネコン惜しく事件/朝鮮総聯会館等詐欺事件/京都少年強盗致傷事件」

 管理者の知らない事件がたくさん載っていますし、また既知の事件についてもマスメディアの人ではなく、事件当事者である弁護人が筆を執っており、しかも検察の証拠隠し、脅迫的・高圧的な取調べ、さらには証拠のねつ造まで行われたありのままの事実を白日の下にさらす、という明確な視点での記事ばかり。被告人を有罪にするための「自白の任意性」がどれほど重要か、ということを実感させられた、たいへん読み応えのある一冊でした。

 布川事件は「ショージとタカオ」のお二人が仮釈放になってから現在まで、多くのテレビ番組で取り上げられていますし、伊佐千尋 著「舵のない船 布川事件の不正義」は、桜井昌司さんと杉山卓男さんのお二人がまだ刑務所服役中の1990年に刊行されています。

そういう支援を受けられていない事件が数多くある、という事実を前にして、私たちは布川事件の真相解明のための支援活動を通じて検察のあり方、刑事裁判のあり方をきちんと理解しなければ、と思います。

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2011年2月12日(土)13時
「ショージとタカオ」上映会inまつど
松戸市民劇場にておまちしています。
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布川事件ニュース369号が届きました

2010-12-28 13:22:47 | 日記
布川事件ニュース 第369号が管理者の手元に届きました。

「無実の桜井さん杉山さんに完全無罪を・判決は来年3月16日」という見出しがまぶしいです。

12月10日の裁判と裁判後におこなわれた交流集会の様子、そして二面には11月20日に東京・南大塚でおこなわれた「ショージとタカオ」の上映会の記事も載っています。「観た方に大変好評でした」と、まあこれだけの、たいへん簡潔な記事でしたが(^_^;

そして、実は布川事件ニュースで一番面白い記事が、桜井昌司さんと杉山卓男さんの「私たちの近況報告」というコラムです。
「布川事件ニュース」には桜井さんの近況報告のほうがが多く載っている気がしていますが、今回の号はお二人とも書いておられます。

■「タカオ」こと杉山卓男さん

「桜井の陳述を聞いている間、私の手のひらは汗でびっしょりになった。(中略)桜井はよく泣くが、私には手のひらから涙が出るのかもしれない」
「(最終陳述が)終わった時、傍聴席から大きな拍手がおこった。この拍手に対し裁判官は制止もしなかった」
「あとは3月16日の判決を待つだけであるが、私はこの時に、まだ言っておきたいことがある。それには、弁護団、桜井に対する言葉も含まれている」

■「ショージ」こと桜井昌司さん

「自分の胸の思いを裁判官に語り終わった後、胸の中がスッキリする爽快感がありました」「私たちの勝利へのカウントダウンが始まった今、日野町事件の阪原弘さんは病床で命の危機と闘っています。(中略)冤罪仲間の力になるために私は闘う責任があると」

「ショージとタカオ」のパンフレットにこういう記述があります。

「ショージはおしゃべりがうまく、タカオは話ベタ。」
「何かにつけて2人は対照的。2人はライバル。」

うーん、まさに言い得て妙、ですね。

杉山さんは裁判の様子を語り、さらに判決日まで何か言いたいことがあると余韻を残してます。

いっぽう桜井さんは「冤罪仲間」(←こんな言葉があるのを初めて知りました)の支援をがんばるという決意表明。

話を聞いても、書いたものを読んでも対照的なお二人。

井手洋子さんは、そんなお二人のコントラストに惹かれてこの
「ショージとタカオ」を制作されたのではないでしょうか。

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2011年2月12日(土)13時
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松戸市民劇場にておまちしています。
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東葛総合法律事務所友の会











「自白」を学ぶ(その2)~ 江川紹子「冤罪の構図」

2010-12-26 22:14:26 | 日記
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東葛総合法律事務所友の会は、新年2月12日開催の
「ショージとタカオ」上映会を成功させるために
新年1月27日午後7時から東葛総合法律事務所にて、
「なぜ、やっていないのに『自白』をしたのか」
というテーマで学習会をおこないます。

「ショージとタカオ」のお二人、
桜井昌司さんと杉山卓男さんに加え、
布川事件弁護団の福富美穂子弁護士にも
語っていただく予定です。
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 先日も江川紹子さんが布川事件に関心を持って取材活動をされておられることをこのブログでお伝えしました。

 管理者が最初に江川紹子というジャーナリストの存在を知ったのは、一連のサリン事件関係の報道番組だったと記憶していますが、実は彼女にはえん罪事件についての著作がいくつもあります。

■「名張毒ブドウ酒殺人事件―六人目の犠牲者」 (新風舎文庫)

 名張毒ブドウ酒殺人事件は、1961年に起きた殺人事件で、被告人は死刑判決をうけ現在も収監中です。第7次再審請求がいったん高裁で認められましたが、その後再審決定は二転三転し、まだ再審が決まっていません。
 本書を読むと、山間の小さなでおきた陰残な事件で、地元の支援がないまま
なぜ死刑囚が50年間も無実を訴えてい(られ)るのかが、よくわかります。

 この名張毒ブドウ酒殺人事件は、日本国民救援会が支援を続けており、おそらく来年に布川事件で「ショージとタカオ」のお二人に無罪判決が言い渡されたあとは、彼らはこの事件の解決にむけて注力するのではないかと、管理者は勝手に想像(期待)しています。


■「冤罪の構図」(新風舎文庫)

 こちらはえん罪事件のオムニバス版、という感じで、いわば無名の事件を複数取り上げて、どうしてこんなに全国でえん罪事件が起きてしまうのかを解明していきます。

 特に、被疑者が警察の取調段階で自白してしまう点について、個々のえん罪事件の被害者がインタビューに答えている箇所を読むと「あ、桜井さんや杉山さんとおんなじこと言ってる!」と、デジャビューの嵐で、膝を打つことしきりです。
 
 最近はニュースで連日のように検察のいろいろな問題が報道されています。
「検察の在り方検討会議」のメンバーでもある、江川紹子さんの活躍に期待しましょう。

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2011年2月12日(土)13時
「ショージとタカオ」上映会inまつど
松戸市民劇場にておまちしています。
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