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みつとみ俊郎のダイアリー

音楽家みつとみ俊郎の日記です。伊豆高原の自宅で、脳出血で半身麻痺の妻の介護をしながら暮らしています。

他の患者さんの症状が他人事とは思えない

2012-01-17 20:53:30 | Weblog
のがリハビリ病院での日常。
今日も、恵子のリハビリを見学していると目に入ってきたのがすぐ横で平行棒の前に座っている患者さん(女性)とそのご主人らしき人。
どちらも年輩の方だが、その患者の女性の方の目のうつろな表情とまったく動こうとしない左手と左脚を見て「ああ、この方も恵子と似たような疾患を煩っているのだナ」ということが理解できた。
脳梗塞なのか脳出血なのかはわからないが、おそらく脳卒中の患者さんだろう。
その患者さんを後ろから抱きかかえるようにして平行棒の間に無理矢理立たせた療法士のSさんは、彼女の身体をそれこそ操り人形のように動かしていく。
自力では動かせない足を療法士は後ろから自分の足で前に無理矢理押し出していく。
それに懸命に応えようと麻痺した足と反対側の足を一生懸命に前に自ら運ぼうとする彼女。
そして彼女は少しずつ前に身体を移動させていく。
しかし、それでも彼女の表情はまったく変わらない。
視線も定まらない彼女の目はうつろなまま前をひたすら前をむいている。
目の前で担当の女性療法士とせっせと足や身体を動かしている恵子のリハビリそっちのけで私の視線はこの患者さんの方に釘付けになっていた。
そして、次第に私の目から涙がこぼれてきた。
恵子もちょうどこの患者さんと同じような状況が数ヶ月前にあったことを思い出したからかもしれない。
それと同時に、この患者さんに心の中でエールを送りたい気持ちもあったからだろう。
「頑張ってください。きっと、数ヶ月先には今の恵子のように明るく笑いながら療法士さんとことばを交わしながらリハビリを続けられますよ」。
そう心の中で叫ばずにはいられなかった。