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みつとみ俊郎のダイアリー

音楽家みつとみ俊郎の日記です。伊豆高原の自宅で、脳出血で半身麻痺の妻の介護をしながら暮らしています。

よく見てるじゃん

2011-12-27 22:35:21 | Weblog
そう言われてすかさず私は、「当たり前だよ。そのためにいつも病院に来てるんだから」と応える。
明日自宅にやってくる介護ベッドのために家の中を片付け掃除してから病院にやってきたために多少バテ気味の私は、病室に入るなり彼女のベッドの脇に腰かけた。
ベッドに腰かけたついでに「足ここに乗っけろ」と言って、彼女の両足を私の膝の上に乗せゆっくりともみ始める。
右足や指、ふくらはぎなどを順番に丁寧にマッサージする。
この数ヶ月常にこと細かく療法士さんのやり方を観察してきたとはいえこちらはズブの素人。
無理な動きをして彼女の足をかえって痛めてしまっては元も子もない。
「これは痛くないか?どんな感じがする?」と常にチェックする。
「本当におんなじ動きしてるね」と感心はされるものの内心はかなりヒヤヒヤしながら動かしている。
たくさんの本から得た知識やリハビリ現場で見てきたことをこうやって恵子に具体的に応用しているのは退院後の長いケアを見越してのこと。
退院後は医療保険が途端に使いにくくなり(全く使えないわけではないが大きな病院は外来でのリハビリをあまり歓迎しないらしい)、介護保険が使える範囲でのリハビリ環境を前提にしなければならない。
介護保険で可能なリハビリ環境は、医療保険でできるリハビリに比べると人や器材などもかなり限られてくる(療法士さんさえいない所が多いからだ)。
それでもリハビリをしっかりと続けていくための自衛手段を以前からこうやって算段しているのだ。

介護ベッドは大晦日から正月3日まで許された自宅への外泊のためのもの。
これも医療保険と介護保険は同時には使えないため自費で用意しなければならない。
ただ、最近介護ベッドはだぶつき気味らしく自費でもかなり安い値段でレンタルできる。
元々家中に手すりは完備していたので(亡くなった恵子の母親が病気療養中に介護保険でつけたものが今回すごく役立つことになる)帰ってくる環境としてはわりと良い方なのではないかと思っている。
それにしても、ほぼ4ヶ月ぶりにシャバに帰ってくる彼女も緊張しているだろうが、迎える私もかなり緊張気味だ。
明日は療法士さんが車への乗り方やその他の介助方法を私に指南してくれる日だ。
何かテストの前日のような緊張感を感じるのはナゼだろう。