道東を発見する旅 第3の人生

感謝が大事、シンクロニティ、

はじめに

最近、何とも前向きなタイトルの本を見つけた。その本の著者を見て購入することを決めた。

「望みはかなう きっとよくなる:村上和雄著、海竜社、2013年12月」

著者は筑波大学名誉教授で、有名な研究者である。自分も名前をよく知っている高名な方であり、自分の知り合いがこの人の研究室に一年ほど国内留学していた。血圧調節にかかわるレニンという物質の遺伝子構造を解明したことで有名な人だ。今日はこの本から心に残った部分をかいつまんで紹介します。

ざっくり言うと、この世で起こる事はすべて意味があり、偶然起こる不思議な現象(シンクロナリティ)を通して「何か素晴らしいもの」との出会いを感じて回りに感謝しながら陽気に生きることが人生の極意である、という事だと思います。

感謝するとうつ傾向が低減する
121から123ページから引用

セリグマンたちが行った実験では、これまでお世話になりながらも、一度も感謝の意を表明したことのない人に対して、感謝の手紙を書いて直接、手渡すように指示しました。一方、実験の対照群として、一週間毎日、若かったころの思い出をひとつずつ書くように指示しました。

その後、両者の幸福感を比較したところ、感謝の手紙グループは長い時間にわたって幸福感が高かったといいます。しかもこのグループは、うつ傾向も低くなったそうです。

さらに感謝のノートは、毎日つけるよりも一週間に一度くらいの間隔をあけたほうがより幸福感が高まることや、感謝の手紙は相手に届けなくても、ただ書くことだけでも幸福感が高まることを指摘している学者もいます。

こうした研究や実験は、感謝することが、感謝している人自身の幸福感や人生に対する満足度を高めるだけでなく、身体の調子を改善し、利他的行動を促し、ストレスやうつ状態を低減する効果があることを示唆しています。

中略

感謝とは、一般的に人に対する感謝です ~ しかし、最高の感謝とは、自分にとっていいとか、悪いということに関係がなく、自分の周りで起こる出来事の全てに感謝することです。その中にはサムシング・グレートに対する感謝があります。

引用終わり

ここまでの感想

本ではセリグマンらの実験以外にもいくつかの実験も紹介されている。

「感謝は探してでもせよ」という言葉があるが、著者が強調しているのは、いいこと、悪いこと何もかも全てに感謝することが大事で、その結果として、心も体も調子が良くなるという。

日本語のことわざに「大恩は報ぜず」というのがある。

人は小さな恩義にはいつか報いなくてはという負い目を感じるが、大き過ぎる恩義には気づかず、かえって平然としていられるという内容である。

自分では気がついていないだけで、人間はどこかで誰かにどうお世話になっているのか分からない。だからこそ、回りの全てに感謝するのが、本来、人間としてあるべき姿なのだろう。

また、自分にとって都合のいいことの場合は誰でも感謝するのだが、自分にとって悪いことや嫌なことなど、感謝できないことも多いだろう。

自分はそのような場合、「この事から何を学ぶべきか、そしてそれを将来に生かすにはどうするべきか」を考えるべきだと思っている。

そうすれば、最悪の状況であったとしても近い将来、「あの苦しい経験があったからこそ、今の自分があるのだ」と思えるようになるのである。

サムシング・グレートとは神様のこと
80ページから引用

私が考えるサムシング・グレートと、(著者の両親や祖父母が信仰している)宗教における神様とは、まったく同じというわけではありませんが、似たようなものだと思っていただいていいでしょう。

なおかつ、サムシング・グレートは、キリスト教における神、仏教における仏、イスラム教におけるアラーと同じようなものだと、私は考えています。

おそらく、神の名前こそ違え、その神に対する思いは、みんな同じではないでしょうか。おおもとは一つなのだと思います。それが時代により、場所により、呼び方が異なっているだけです。

引用終わり

サムシング・グレートについて

ネットで検索してみると、この先生のご両親の宗教は奈良県に本部のある天理教である。本の中には「天に貯金する」とか「失敗は天からのギフト、失敗した時も陽気になろう」とかのフレーズが出てくる。どうやら「天」や「陽気」がキーワードのようだ。

天理教 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E7%90%86%E6%95%99
より引用する

人間がこの世に存在するのは、親神が人間の明るく勇んで暮らす「陽気ぐらし」「喜びの日々」を見たいからであり、親神の守護と恵みにより、人間は生かされており、天然自然が存在すると説いている。人間は、親神が見たいと説く陽気ぐらしの実現のために、親神によって生かされているという謙虚な気持ちを持ち、欲を捨て、平和で豊かな世界を目指すことが重要であると説く。

引用終わり

感想続き

そして著者の言う「サムシング・グレート」の話になる。

誰でも、「あの人に会いたいなあ」と思っていたら、バッタリと出会ったという経験があることだと思う。これをシンクロニティ(共時性)と呼ぶ。これはサムシング・グレート(神の啓示)だと著者は言う。

シンクロニティはサムシング・グレートからの合図

152ページ
多くの人が日常生活で経験していることだと思いますが、人生には、こちらが求めていると、それに関連したことに出会うという不思議な事が起こります。こうした現象を「シンクロニティ」と呼びます。

単なる偶然では片付けられないような、あたかもそこに何か意味や意図が隠されているような偶然の一致のことです。

たとえば、もう何年も会っていない友人のことをたまたま思い浮かべていたら、その友人から突然電話がかかってきたり・・・(等の例がいくつか、あげられています)。

154ページ
不思議な事ですが、こうした偶然の一致に普段から関心を払い、それを単なる偶然ではなく、意味のあることではないかと考えるようになればなるほど、シンクロニティに遭遇する機会は増えるように思います。 ~ サムシング・グレートからの合図を上手にキャッチしたと考えることもできます。

156ページ
常識によって判断を惑わされない、あるいは常識によって自らの能力を限定しないためには、やはり感性を磨いておく必要があります

157ページ
サムシング・グレートのような大いなるものと自分がつながっているという意識や感覚が、直感を鍛えるのだと思います。

158ページ
ラッキーな事があったときに単にラッキーだったと思うのではなく、「これはきっと、サムシング・グレートが私に与えてくれたものだ」と思うような習慣づけをしていくと直感力が磨かれていきます。

成功した人は異口同音に「自分は運が良かった」といいますが、その運はサムシング・グレートとつながることができて、そこからパワー、エネルギー、アドバイスをもらったからだともいえます。

そうした感覚は何かを勉強したからといって身につくものではありません。やはり、感性に左右されるものだと思います。

160ページ
結局、何が本当にムダなものか人間にはわからないのですから、いっそのこと、この世で起きるすべてのことに意味があると思ってものごとに取り組んだほうが、間違いがないと思います。ムダなものなどないという考え方は、この世に当たり前のものはないという考え方にもつながっていきます。

そんなのは当たり前という言葉には、ある種の傲慢さを感じます。そもそも生きていること自体が当たり前ではありません。奇跡に近いことなのです。それを当たり前と思うか、そうでないと思うかの間には大きな隔たりがあります。

本来、日本人は、生きていることを当たり前ではないと考えていたのではないでしょうか。だから「おかげさま」という言葉が大切にされてきたと思います。おかげさまの「かげ」とは、日にあたるところに対して陰になるところです。

その目に見えない陰のおかげで生きているという考えが、おかげさまという言葉に反映されています。その陰に対する感謝が、おかげさまなのです。

引用終わり

まとめ

今日は、本の中核的な部分を紹介しましたが、この後、「利他は生命の本質」、「つつしみが人を大きくする」、「死は終わりではない」と続いていきます。

自分に起きるシンクロニティを、どうとらえるかは、その人次第です。

自分の場合、いつの頃からかシンクロニティを意識するようになりました。日々、色んな不思議な偶然の出来事との遭遇を楽しんでいます。

なぜか、同じトレーニングジムに牧師さんが通っておられることを書きましたが、ある時、牧師さんに現在の病院に勤務することになった経緯を聞いてもらったのですが、牧師先生からは「神様のお導きだと思います」という感想をいただきました。

そもそも牧師さんとジムで知り合いになるという事自体が奇跡のようなことなのかもしれません。

先週も、今週もシンクロニティを実感する瞬間は結構頻繁に起こります。

シンクロニティをどう考えて、どう対処していくかは、非常に重要な事です。これまで、自分は、シンクロナリティについてこの本のように具体的かつ詳細に説明している本を見たことがないと思います。著者は、科学者だけあって、非常に分かり易い説明をしておられます。

回りに感謝することが、日本人がよく言う「おかげさま」の言霊につながっていたとは驚きでした。

長くなりましたが、最後まで読んでいただき有難うございました。

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