道東を発見する旅 第3の人生

海外ドラマ 寝取られ 3すくみ 低下する夫婦関係の満足度 死後離婚

正月休みが今日で終わる。これで離島で過ごす最後の正月休みが終わるのでホッとしている。今年は雪がそんなに降らなかったので除雪を頑張ることもなく、怠惰にすごした休みだった。2月の終わりには島を離れて新しい場所に行くので、そろそろ準備を始めなきゃいけない。

休みの間、海外ドラマや映画を見たが、今回はドラマと映画から心に残ったことを紹介します。

海外ドラマ

WowWowの海外ドラマが好きだ。国によってドラマの作り方にその国独自の文化が反映されているのが面白い。年末にイギリスの「ベイ」という警察ドラマを見た。警察官がチームで犯人を捜す定番のどらまで捜査会議のシーンが出てくる。

その中で驚いたシーンがある。全6話の初めの方で、捜査の陣頭指揮をとっている刑事部長が捜査会議の途中でソワソワし始めて突然、「用事があるから失礼する」と部屋を出ていくのだ。残された部下たちは「なんで急いでいるのかな」と言いながら「セックスしにいくのだろう」と揶揄して座が盛り上がる。

やはり部下の予想が当たっていて、部長がデートの時間に間に合わせるため急いで飛んで行きホテルに入るシーンも出てきた。そして、全6話の中で4話目の後半、警察署の部長に面会に来たのが、浮気相手の亭主だ。ずかずかと大部屋に入ってくる。平の職員がズラッと並んで座っている通路を通って、とまどっている部長が窓際にあるガラスで仕切られた部長室に招き入れる。

そこで、2人の激しい怒鳴りあいが始まりガラス越しに部下全員が見ているにもかかわらず、興奮した亭主が部長にグーパンチをくらわせる。すると殴られた部長も鼻血で血だらけになりながら殴り返して取っ組み合いになり部屋の中がグチャグチャになってしまう。そこで、数人の部下が乱入し止めに入るというシーンがあった。

まず日本のドラマではあり得ない展開なので驚きあきれて大笑いしながら見ていた。もちろん、これはドラマの主題である放火殺人事件の犯罪捜査とはまったく関係ないのだ。なぜこんなシーンを入れたか誰もが疑問に思うだろうが分からない。キャラクターづくりかもしれないし、ドラマの長さを調節するためなのかもしれない。

実は、イギリスには英国紳士の文化以外に、男同士の荒々しい闘いの文化があるのだ。フーリガンが地元チームの応援で、ヨーロッパ大陸に集団で出かけて暴動事件をひきおこしたケースがいくつもある。別のドラマでも兄弟で激しい殴り合いになるシーンを見たことがある。奥さんを寝取られてはならじと亭主が闘争心を発揮することは納得できる。

一方、フランスではどうだろうか。パリに行ったら分かるが、誰でもおしゃれに気を使って身ぎれいにしている。

フランスは寝取られの文化があって若者から始まり中年、さらに老人になっても「常に寝取られの危機」があるそうだ。それで、いくつになっても伴侶を奪われるリスクがあるという。カトリックの国なので、宗教上、離婚できない事が社会通念として厳然と存在しているので、入籍してなくて事実婚を何10年も続けている人がいるのだ。自分がいた研究所でも3年の間に、自分のボスはパートナーが変わって別の人と暮らすようになっていた。この人はその後、WHOのワクチン開発責任者になったえらい人だ。研究室の同僚は、噂話はしていたが、日本のような正義中毒で批難する人はおらず、好意的だったように思う。

映画『フェイブルマンズ』本編映像<フェイブルマン家のディナー>/大ヒット上映中!

 

フェイブルマンズ

正月休みに映画「フェイブルマンズ」を見た。スピルバーグの自伝的映画という事で自分の予想を上回る出来栄えだった。一回見ただけでは細かいシーンがよく分からなかったので2回か3回部分的に見直して、配役のたくみさ、それぞれの役者の微妙な表情、視線の先にある風景など演出の精密さを楽しんだ。

映画の口コミでこの映画の感想を見てみると、スピルバーグの父親が友人に妻を寝取られ離婚されたことに触れている人はいないようだ。スピルバーグの両親はユダヤ人で、ユダヤ人の特徴である、議論が延々と続くシーンが何度も出てきた。

科学者の父は仲のいい部下をいつも家に招いて議論している。家族全員での夕食の際、父は難しい理論を家族の前でまくしたてている(自分も科学者の端くれだったので、これは良くわかる、家に帰っても未解決の命題が頭の中でグルグル回っているので口から吐き出しながら整理しているのだ)。

すると、芸術家の母は話についていけなくて不満そうに分からないと文句を言う。そこで友人が万人に理解できるように説明すると母はウーンとうなずいて微笑みを返し、デニーの言う事ならよくわかると返すのだ。それが積もり積もって母は家族を捨てて友人のもとに去っていく。思春期だったスピルバーグの心に母親の離婚が大きな影を残したそうだ。

離婚のエピソードシーンで子供たちの会話が面白い。科学者の父は天才だ、その父はぶっとんだ性格の芸術家の母をあがめている。母はキャンプに行った時、月明かりの下で挑発的な衣装で幻想的な踊りを舞っていて友人がそれに魅入っているシーンがあったり2人でふざけあっているシーンが出てくる。母は父にはそっけなかったりしてる。

そして父は友人に対して絶対的な支配者として部下の能力不足を示唆している、とか、人間関係の微妙な行き違いがどんどん広がっていき・・・といろんなエピソードが盛り込まれていて凄く面白かった。ぜひ、見るのを勧めます。繰り返し見るなら、DVDが今月発売されるそうです。

3すくみ

三すくみ(さんすくみ、三竦みとも書く)とは、三つの者が互いに得意な相手と苦手な相手を一つずつ持つことで、三者とも身動きが取れなくなるような状態のことである。 つまり、AはBに勝ち、BはCに勝ち、CはAに勝つ、という関係。 例えばAがBを倒した場合、Cに倒されるのがわかっているので動くことができない(ウィキペディア)

3すくみは、一般的に社会の中であちこちで見られており、会社の中や政治家の権力闘争など3すくみで均衡を保っていることが突然、破綻するケースが見られる。岸田政権と旧阿部派の攻防が焦点になっているが、鍵を握るのは誰なのか。岸田総理が、菅元総理というカードを切って、それで均衡が崩れるのだろうか、なんかが身近な話題になっている。

さて、寝取られ問題の基本は夫婦関係の絆の強弱に影響されるのではないかと思う。女性を中心に男同士が対立していくプロセスがあり、1対1どうしの3スクミのバランスが崩れるという現象を見ているように思う。そして寝取った方、または寝取られを防いだ方がカチドキをあげるのだ。

年齢と共に下がる一方の夫婦の満足度

それでは、寝取られの根本に存在する夫婦の満足度は年と共にどう変わっていくのだろう。天下の朝日新聞の天声人語から抜粋します(2023/11/22 いい夫婦の日 語呂合わせでそうなったらしい)

以下、引用

結婚直後に高かった満足度は徐々に下がり、年を経て再び上がるU字型推移の仮説が注目されていたが、その後の研究で米国などでは否定されたらしい。

日本の全国調査の分析では、夫婦の満足度は下がる一方だったという。子供が巣立っても年を重ねても好転しない。「何もしなければ徐々に悪化していくのが自然の摂理」との指摘がある。西野理子編著「夫婦の関係はどうかわっていくのか」より

それでも打つ手はある。「会話、情緒的サポート、夫の家事」が増えれば、夫婦ともに満足度は上昇した。寄り添い、見守る加減が幸せを続ける鍵になる。

「やさしさもりんご一つの距離おきてかたみに暮らす熟年夫婦」前田靖子。

この絶妙の距離感は、苦楽を共にした日々がもたらしたものか。難しいけど、まあぼちぼちと

引用終わり

別居

これは名文だと思って切り抜いておいた。「かたみに暮らす」の部分が分かりにくいのだが、「互(かたみ)は、たがいに。かわるがわる)の意味である。勝手な解釈だけど、リンゴの食べ方は皮を剥き1個を4分の1ずつに切ってリンゴを食べる時にかわるがわる食べるとか、そんな意味なのかな、と思う。熟年の旦那が林檎は俺が全部食うなんて言う光景は想像できないから、お互いに気遣って生きているということだろうか。年を重ねると、お互いに暗黙の距離をおくようになり、それがどんどん開いていくというのが夫婦の営みの進化した姿なのだ。

いずれにせよ、離婚しない(されない)限りある程度の距離を保つことはお互い納得するべきなのだろう。

最近、漫才師の上沼恵美子さんが、自身の番組でご亭主に一方的に別居宣言したという話をしていた。自分はその番組を見ていたのだが、時々、会ってご飯を一緒に食べたりするくらいでいいと言っていた(と思う)。

あの人は話が面白いし賢い人なのだと思う。ただ、上沼さんのように金持ちなら、それも一つの方法なのだろう。日本では、さらにその先があることを最近知った。

死後離婚

ネット現代ビジネスのWeb版から引用

核家族化によって、結婚した子どものほとんどが親と同居しない現代、明治民法時代と違って、法的にも結婚すれば親子は別の家族となる。

従って、配偶者が亡くなってしまえば、その親との関係性は希薄である。現代社会では、このような家族関係意識が定着している(「日本の死角」より

2014年1月に、NHKの人気番組「あさイチ」が「死後離婚」に触れ、夫婦別墓の話を中心にしながらも「姻族関係終了届」にも触れ、2017年には「姻族関係終了届」をテーマに特集を組んでWEB掲載し、2018年同番組で再度取り上げている。このようにマスコミに良く取り上げられるようになって届出件数が急増した。

引用終わり

まとめ

話がとんでもない方向に進んでいったが、前回書いたように、物事はどんどん進化していく。前回書いたように、人間は時間(年齢)と共に大きく変化していくため、久しぶりに会ったら別人になっていてもおかしくないのだ。

夫婦関係も、若いころのままであるというのは考えにくく、とんでもないことが起こらない限り、距離はどんどん開いていくのが自然の流れなのかなとも思う。

自分の生き方が、その自然な流れに、あらがっているか、それとも流れにのっているか、自問自答しながら、その時点でベストな選択をしているのかを見極める事が大事なのかなと思う。

そのためには、今の自分がどういう均衡状態に置かれているか、原点に立ち返りながら自省することが必要だろう。

冒頭の不倫刑事部長は、物語の最後に、相手から「いつも嘘ばかりつく」と言われ逃げられて破綻してしまっていた。

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