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ベルリンで、さあて何を食おうかな?

2004年5月に書き始めた初代ブログです。

9月13日出会い

2004-09-13 22:49:24 | 楽器と弓の話
出会い。いろんな出会いがあります。人との出会い。この世に生を受けてまず両親,肉親に出会い、ご近所、学校、クラブ、習い事などなどを通して出会い,後々までお付き合いの続く人。ずっと逢ってないけど時々会いたくなる人。逢いたいけど自分から連絡する行為はしない相手。でも逢うと昔のようにすぐに話の弾む子供時代の友人。高校を出てこちらに来てから知り合った人々。年下,同年代,年上に関係なくいろんな人に出会い、いろんなことを経験し,同じ時を過し、沢山の事を教わりました。音楽関係だけでなく,前にも書きましたが通訳という仕事のおかげで様々な分野の方々との出会いがありました。筆不精と、引っ込み思案(なわけはないか?)、時間のなさから失礼してしまっている関係も多多あります。
人との出会いに、幸運な事に恵まれている僕ですが,人以外との出会いにも恵まれていて、不思議に思うことがあります。前回にふれた弦もそのひとつ。これだって出会いがなければ知り合う事は出来なかったでしょう。その弦を試しに張っている楽器、Josef Hillもそうです。写真はその楽器に張ってあるラベルですが、ある人を介して,収集家がそのファミリーで100年以上も持っていた楽器を譲ってもらいました。5年前に購入する時はDSOのバス弾きたちもほとんど全員が反対,それもそのはずでずーっと放置してあったせいで鳴らなかったんです,いい音が。しかし鳴らない中にもいい音があり,僕はほぼ即決で購入。もちろん友人のバイオリニストBPが賛成してくれた事も大きかったのですが。
楽器だけじゃなくいろいろな気に入ったものに囲まれて生活するのが好きですが、その出会いって言うのは好き嫌いなんですかねー?気に入ったものを好きになり,だからいい出会いだったと後で思うのでしょうか?新しいものでは(身に付けるもの以外)お店などでこれは欲しいと思うものはほとんどないんですが,年月を経たものでこれはそばに置いておきたい,と思うものに出会うことは多多あり、できる限りそれを実現しています。
子供の時,生き物だけじゃなく物にも魂があるから大切にしなさい。使わせてもらってると言う気持ちでいなさい。と言われましたがすべてのものにあるとは今も思えませんが,魂が宿っていると実感する瞬間は実際、ありますね。そう感じられる時はいい演奏ができるもんです。


9月8日名人は道具に凝らない?

2004-09-08 17:44:20 | 楽器と弓の話
名人,達人は道具に凝らないって言いますが,いい道具は初心者の場合は上達を明らかに早め、プロにとってはいい道具(相棒)は不可欠のものと思っています。まー僕は人よりも懲りすぎるとまわりに思われている様ですが。趣味でやってるテニスの道具も,初めてまだ間もない5年前からいろいろ買い集めたんですから,そうじゃないとは言えません。まー,形からはいる方と言えるでしょう。それで道具と言えば楽器ですが、それはまた今度にして,今日は弦の事を書きます。コントラバスの弦というのもいろいろあって,ピラストロというドイツのメーカーから始まり、ドイツ,オーストリア,イギリス、、。沢山あって,また各メーカー,いろんなラインナップがあり,試すのも大変です。仲間の楽器に張ってあったり,時には学生さんの楽器にまた知らない弦が張ってあったりして目移りするのですが大まかな良し悪しはわかりますが楽器との相性を考えると張ってみないとわかりません。バイオリンは弦を張った直後にすでにいい音がするそうですが、KBは張ってからスチール弦で最低3,4日,ガット弦やガットの銀巻き弦などは2,3週間かかり,もう試しの域を超えています。しかもバイオリンの弦は4本でもせいぜい1万円止まり。KBのそれは4本で2,3万から今まで試した一番高い弦は15万でした。いくら長持ちするといってもしょっちゅう交換は出来ません。カラヤン時代のベルリンフィルのバスセクションはピラストロのソロ用の弦を2度下げて、つまりテンションを下げて使っていました。圧力が少ないと、楽器の表板が押される度合いが減るわけで,表板,ひいては楽器自身がより鳴るわけですが,これも度合いの問題で新作の楽器には当てはまりません。オールド楽器は圧力を嫌う傾向があるのですが,最近ベルリンフィルもDSOもガット弦の銀巻きを使う人が増えました。これも圧力軽減の効果がひとつの理由ですが,楽器によって(オールドでも)合わなかったり,音程が狂いやすかったり。また一番高価な弦でもあります。あとは最近はやっているのはそれの廉価版でガットの変わりにナイロンを金属で巻いてある弦。これは値段も手頃で使っている方も多いのですがちょっと音も廉価版(失礼)の傾向があります。
前置きが長くなりましたがアメリカ人の友人に今日,イギリス製の弦を借りてきました。
先日コンサートの時に楽器の話になり絶対のお勧め!但し注文する前に俺の持ってるのを試せ。といってくれてさっき僕の楽器,イギリス製のJoseph HILL(1787年製)に張ってみました。も~驚きのよさで、しかも値段も約2万円。すぐに自分用に注文するつもりです。この楽器にはいろいろ試した結果,最近は細めのスチール弦とガットの銀巻きのコンビネーションで満足していたのでこれ以上試すつもりはなかったのですが、この弦はオールド楽器の為に開発された弦!と聞いて試す気になりました。今までの弦は伝統的な材料、ガットを使ったりで結果的に減圧効果があったのですが,古い楽器に圧力を加えない為に開発された弦なんて,コンセプトがストライク。張ったばかりなのにもういい音がして,しかも日に日に良くなっていく予感あり。どうしてもというKB奏者にはお教えしますが,当分内緒にしたい弦です。
今日はちょっと専門的なDeepな話でした。