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推進軸毀損といえば...DD54のこと

2011年06月04日 | 鉄是好日
5月27日にJR北海道石勝線でキハ283系の気動車特急が、推進軸のトラブルで脱線火災事故を起こし、見るも無残な姿になってしまったのは皆さんご存知のとおりですが、我々世代の鉄道ファンで「推進軸のトラブル」というと真っ先に思い浮かぶのがDD54のことです。(ショボい写真しか無くて申し訳ありません)

 DD54というのはDD51に遅れること4年の1966年に登場したディーゼル機関車で、DD51が純国産の技術を採用したのに対し、ディーゼル機関車先進国であった西ドイツの技術を取り入れて生産されました。 外観も垢抜けない凸型のDD51に対しスマートな箱型で、結構人気があったように記憶しています。 ところがこの機関車で、1968年に推進軸が毀損、脱落してポイントに引っ掛かり、棒高跳びのような感じで機関車が脱線転覆するという事故が発生、1969年にも同様な事故が再発し、もちろん推進軸の強化や万一の毀損時にも脱落を防止するといった対策がとられたのですが、その他の故障も多かったようで、結局1978年までには全て廃車されてしまいました。 先輩のDD51が登場後50年近く経った2011年現在まだ現役であるのに比較して、12年というのはあまりに短命で、同じように新機軸の盛り込みや山陰方面での運用が多く短命であったC54形蒸気機関車同様、悲しい運命を辿る事になってしまいました。

 今回の事故原因は素人の知るところではないですが、推進軸の脱落を「リスク」と捉えて対策していれば、今回の事故も防げたのではないかと思います。 残念な事故でした。

注)推進軸とはエンジンの出力を台車に伝える「棒」。エンジンは車体に固定されている為、台車の変位に合わせて伝達角度や棒自身の長さを変化させる必要があり、複雑な構造を持つ上にエンジンの全出力が掛かる。キハ283系などの振り子式では振り子動作の障害にならない様、伸縮の際の摩擦を極小化するなどさらに特殊な構造になっている。
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