16ブロック。日本人ならば「じゅうろくブロック」と読んでしまうところだが、それでは恥ずかしい。ちゃんと英語読みしなきゃ。そう思いつつ、彼は係員に言った。
「えっと、シックスティ・ブロックを」
「シックスティーン・ブロックですね」
キーーーーーーーーーーーーーーッ、このクソ生意気な係員、わざわざ「ン」にアクセントを付けやがった。許すまじ! っつーか、オレが間違えたのか。どっちにしても悔しいっっ。彼はそう思ったが、もちろん無表情を装っていた。ったく、他人事ながら恥ずかしいったらありゃしない。
しかしまあ、バカな男だよね。よりによって、シックスティ・ブロックて。ちゃんと英語の授業を受けてたのか? まあ、あんまり知人の悪口を言いたくはないけどさ。
ちなみに、この男、『M:i:III』を観た時は「エムアイツー」と言ったんだって。ローマ数字も読めんのか? 『もしも昨日が選べたら』を観た時は「もしも明日が……」と言いそうになったんだって。わらべが好きだったのか?
さて、目下の懸念事項。それは『ただ、君を愛してる』を観る時のことである。これは照れるでしょ。平常心では言えないでしょ。少し前に『愛してよ』とか『好きだ、』とかいう映画もあったけど、前者は名演小劇場、後者は名古屋シネマテークで公開されたので、タイトルを告げる必要はなかった。しかし『ただ、君を愛してる』はシネコンで上映されている。この文言――愛の告白の言葉を自分の口から発する必要が生じるのだ。
いっそのこと、思い切って細川俊之みたいな声色で「ただ、君を……(適度な間を置いて)愛してる、を一枚」と言ってみようか。もしかしたら惚れられちゃうかもしれないけど、それは仕方ない。浮き世の常である。
森本レオっぽく言ってみるのも一興だ。朴訥とした言い回しに母性本能をくすぐられ、向こうは一瞬で恋に落ちるだろう。ふっ、オレも罪な男だぜ。だが、それが運命(←さだめ、と読んで)ならば仕方なかろう。浮き世の常だ。
永ちゃんっぽく言うのもカッコいいんちゃう? あの独特のイントネーションを真似て「ただ、君を……」と語尾を上げつつ言い、指を鳴らす。そして相手の顔を指さして笑顔で「愛してる、を一枚」、なんてね。一発でオレにメロメロになること必至である。きっと泣かせることになるだろう。オレも罪深すぎる男だ。しかし、それが浮き世の常なんだから仕方ない。
でもさ、相手が男だったら困るじゃん。すげー気まずくない? そっち系の趣味はないから惚れられても困るし。どうすりゃいい? そんなことばっかり考えてるオレはアホ?
って、これも知人が言ってたこと。僕じゃないよ。僕じゃないってば。
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