アカデミー賞を大胆に……ではなく、チマチマと予想！＜前編＞

　お待たせしました、アカデミー賞の予想です。って、誰も待ってない？

　まあ、さっそく始めましょう。※印を付けたのは、僕がすでに観た作品です。

●作品賞
『バベル』
『ディパーテッド』※
『硫黄島からの手紙』※
『リトル・ミス・サンシャイン』※
『クィーン』

　観た3本はどれも良かった。ただ、アカデミー賞に選ばれるかどうかってなると、ちょいと厳しいように思えるなぁ。ほら、前にも書いた通り『硫黄島からの手紙』はまるで「日本人のために作られた映画」みたいだし、『ディパーテッド』は香港映画のリメイクでしょ？　そういうアジア絡みの作品がアメリカ文化の象徴であるアカデミー賞で頂点に輝くのを、アメリカの映画人たちは嫌がるような気がするもん。そんなことない？
　そうなると『リトル・ミス・サンシャイン』が有力になるんだけど、これも少し弱い。なんちゅうか、「インディーズ系の映画も入れておきましょ」という意図でノミネートされたように思えちゃうのよ。それに、確かになかなか愉快な作品ではあるけど、出来としては今ひとつ物足りない気がしたし。
　で、残るは未見の2本。『クィーン』はイギリスの王室が舞台になってるそうなので、やはりアメリカの映画関係者は積極的に選ぼうとしない気がするなぁ。となると、『バベル』が最有力なんじゃない？　これは絶対に観るつもりなのであんまり事前情報を仕入れていないんだけど、国際色豊かで硬派な社会派作品なんでしょ？　そういうの、アメリカの映画人は好きそうだもん。
　というわけで、僕の予想では『バベル』！

●監督賞
クリント・イーストウッド『硫黄島からの手紙』※
スティーブン・フリアーズ『クィーン』
ポール・グリーングラス『ユナイテッド93』※
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ『バベル』
マーティン・スコセッシ『ディパーテッド』※

　過去に何回か書いたと思うけど、「最優秀作品の監督が最優秀監督」というのが僕の持論。いや、持論ってほどのことじゃないけどさ。
　そういう意味では、やっぱり『バベル』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥで。しかし、この名前、すんげー覚えにくいね。ちなみにメキシコ系の人みたい。
　ちょっと気になるのが、何度もノミネートされながらも落選し続けているマーティン・スコセッシへの同情票（って言い方は失礼だけど）が、どれくらい集まるかってこと。この手の賞ってのは、やはり「功労賞」的な部分も多いもんね。僕だって、ピンクレディーがレコード大賞に選ばれた時は「ジュリーに取らせろよ」と思ったもん。いつの時代の話だ？
　ともあれ、僕の予想では『バベル』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ！

●主演男優賞
レオナルド・ディカプリオ『ブラッド・ダイヤモンド』
ライアン・ゴズリング『あるスキャンダルの覚え書き』
ピーター・オトゥール『Venus』
ウィル・スミス『幸せのちから』
フォレスト・ウィテカー『ラストキング・オブ・スコットランド』

　うむむ、どれも観ていないし、作品についても詳しく分からん。なので予想できないや。
　レオナルド・ディカプリオの名前を見た時は、てっきり『ディパーテッド』で選ばれたのかと思った。なので「熱演していたけど、ちと弱い」という気がしたんだけどね。
　ウィル・スミスはどうだろ。「実話に基づいた感動作」ってのが苦手なので、あんまり観る気が起こらなかったんだけど。あ、でも、もしも最優秀主演男優賞に選ばれたら、急いで観に行くかも。すんません、権威に弱い上にミーハーな野郎なんです。
　それはともかく、やはり最有力はフォレスト・ウィテカーじゃないかな。なんと、あのアミン大統領を演じてるのよ。予告編の印象では、すげー迫力あったもん。鬼気迫る感じ。
　というわけで、僕の予想では『ラストキング・オブ・スコットランド』のフォレスト・ウィテカー！

●主演女優賞
ペネロペ・クルス『ボルベール　帰郷』
ジュディ・デンチ『あるスキャンダルの覚え書き』
ヘレン・ミレン『クィーン』
メリル・ストリープ『プラダを着た悪魔』※
ケイト・ウィンスレット『リトル・チルドレン』

　こちらは『プラダを着た悪魔』を観たのみ。確かにメリル・ストリープはアッパレな存在感だったけど、あれは「主演」じゃないでしょ？　どう考えても主演はアン・ハサウェイじゃん。この前の日本アカデミー賞では『フラガール』で主演が松雪泰子、助演が蒼井優という扱いだったけど、それも逆じゃない？　まあ、そういう区別ってのは難しいものだとは思うけどね。
　で、今回の5人なんだけど、予告編で見たヘレン・ミレンは、見事にエリザベス女王そっくり。しかし、授賞式会場でフォレスト・ウィテカーと並ぶと、そっくりさん大会になっちゃうんじゃない？　ゆうたろうと神田聖子が並んでるような感じ。それは違う？
　残りの3本のうち、予告編を見たのは『リトル・チルドレン』のみ。かなり緊迫感のある映像でした。この映画、ジェニファー・コネリーも出ています。
　で、結局のところ誰が最有力かと言うと……さっぱり分かりません。なので、見た目の好みで選びます。
　というわけで、僕の予想では『ボルベール　帰郷』のペネロペ・クルス！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜つづく＞