●椎名林檎×斎藤ネコ『平成風俗』
映画『さくらん』のサントラでもあるわけだから当然だけど、いかにも映画音楽、という味わいの楽曲が並んでいる。壮大で情緒があって、でも映像の味わいを邪魔しない程度に控え目な感じ。プロ中のプロの仕事だね。
なので盤の中身には不満はないんだけど、初回限定盤のオマケであるステッカーやコースターは、どれもデザイン的に今ひとつ。これなら通常盤を買った方が良かったかなぁ。
●『ドリームガールズ』サウンドトラック
DVD1枚を含む3枚組の「完全生産限定盤」を購入。ボリュームたっぷりである。なかなか通して聴く機会はないけど、ジャケットや歌詞カードの写真を眺めているだけで楽しい気分になれる。できれば、もう一回スクリーンで観たいなぁ。
●YO-KING『日々とポップス』
せっかく真心ブラザーズを活動再開させたのに、なぜ再びソロ？ でもまあ出来が良ければいいんだけど、これがどうも今ひとつ。YO-KINGには珍しく、気迫が空回りしちゃってるように思えるのよ。真心での『FINE』が傑作だっただけに、余計にそう感じるのかも。
●斉藤和義『紅盤』
いわゆる企画モノ。他者が書いた歌詞に曲を付けて歌ったり、往年の名曲をカバーしたり、という感じ。で、これが実に良いのよ。特に1曲目の『ベリー ベリー ストロング～アイネクライネ～』は傑作。作家の伊坂幸太郎の書き下ろし小説をもとに斉藤和義が作った曲で、6分34秒という長尺だ。そこで語られる心情は思いっきり青臭いものであるが、聴いてるうちにグイグイと引き込まれていき、最後の辺りでは目頭が熱くなってしまう。「胸に鳴り響くティンパニー」「強い絆の話だよ」って部分ね。
カバーでは『ダーリング』が見事。オリジナルのジュリーに比べれば声の伸びは足りないのだが、それさえも魅力に感じられるから不思議である。というか、そもそも斉藤和義って人はライブでも声が掠れたりひっくり返ったりすることが多く、決して歌唱力があるタイプのシンガーではない。でも、その「上手くなさ加減」が絶妙の持ち味になってしまっているのである。なんとも希有な存在ではないだろうか。その「上手くなさ加減」が故意のものだとしたら相当の戦略家なんだけど、たぶん違うだろうね。
ともかく、この『紅盤』はオススメ。ジャケットの女性の脚線美も素晴らしいです。細すぎないところが実に良い感じなのよ。いかにも洋モノ好きのせっちゃんならでのセレクトですな。わはは。
●BTR『IS』
前に何度か紹介した通り、松藤英男、坂井紀雄、前野知常という熟練ミュージシャン3人組によるバンドのファーストアルバム。3人ともソングライターなので、それぞれが自作曲が2曲ずつ披露する、という構成になっている。どれも良い曲だけど、やはり僕がダントツに好きなのは松藤英男の『Lovers～恋人～』。こんな名曲が入ったアルバムがライブ会場限定販売なんて、すんげーもったいないって。メジャーのレコード会社は今すぐ手土産を持ってBTRの三人に挨拶に行くべし。
●TOKIO『ひかりのまち／ラン・フリー(スワン・ダンスを君と)』（シングル）
両A面扱いの2曲は、いずれも甲斐よしひろ作詞・作曲。なるほど、長らく甲斐よしひろの曲を聴き続けてきた者にとっては、これぞ甲斐節、と即座に思わせる楽曲だ。特に『ひかりのまち』は『BLUE LETTER』や『渇いた街』や『CRY』を彷彿とさせる雰囲気の心情吐露ナンバーで、失ってしまったものへの愛惜の念に満ちている。「夕暮れを引き裂き」などという大仰な言い回しや、サビの後半で言葉を力業でメロディに乗せている（ように思える）遣り口なんて、良くも悪くも甲斐よしひろそのもの。そして、なんだかんだ言いつつも、そういう部分に僕は強烈に惹かれてしまうのである。この曲、ぜひとも甲斐さん自身に歌ってほしいなぁ。いや、TOKIOのも充分にカッコいいけどね。長瀬のボーカル、いい意味で男臭くて力強いもんねぇ。
3曲目の『Sweet Sick Honey』も勢いのあるアッパーチューン。TOKIO、やるじゃん。
今月の新譜で気になっているのは、D・H・Yというユニットの『LOVES』というカバー集。これは良さそうなので買うつもり。
http://www.softly.jp/softly/tribute/loves.html
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