しかも、この会社、最初のうちは零細企業のように見えていたのだが、後半になるとかなりの大企業であることが分かってくる。となると、今後はリアリティのなさがどんどん際立ってくるのだ。だって、あれだけの規模の会社なら他にもたくさん技術者はいるはずでしょ? 社運を懸けたプロジェクトを、あんな連中に担当させるか? させるとしたら、そこにもっと「抜き差しならない事情」を用意しなくちゃ。
この映画はおそらく「ロボットの中にお爺さんが入ってたら面白そうじゃん」という単純な発想から出発したのだろう。それ自体は悪いことではない。しかし、それを観客に面白いと思わせるには「そうせざるを得なかった」という状況を用意する必要がある。「そういう事情なら、ロボットの中に人間を入れて動かすのも仕方ないだろう」と大半の観客が納得するような説得力を持たせなければいけなかった。などと考えるのは僕が狭量な人間だから?
とはいえ、ミッキー・カーティスこと五十嵐信次郎のいじましくも飄々とした振る舞いは愉快だし、吉高由里子演じるロボット好き理系女子も魅力的だ。この二人の好演によって、それなりに楽しめる作品には仕上がっている。だからこそ、導入部が大ざっぱすぎたことが残念でならない。
蛇足1。冒頭のシーンで、とある虫(名前を書きたくないほど苦手です)が出てくる。これは明らかに余計。その時点で実は大きく気分が萎えました。
蛇足2。後半で技術者の一人が吉高由里子に向かって言うセリフは、いくら何でも無神経すぎ。本気で腹立たしい気分になりました。
蛇足3、というか、これはホントに蛇足。最初のあたりに出てきた設計図によると、あのロボットに入る体型として理想的なのは身長が168センチ、胸囲が88らしい(それ以外の数字は覚えられなかったので、誰か知ってたら教えて)。ってことは、僕ならほぼピッタリじゃん!
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