少年トッパ

『Star Light』の感想



 珍しくDVDの感想。1ヶ月ぐらい前にサウンドベイの金山店で、『Star Light』の中古DVDを買ったのだ。その半年ほど前に見かけた時は確か2500円ぐらいだったのに、なんと税込1050円に暴落していたから購入したわけである。ありがたや。まあ、元の値段じゃ売れそうにないから値下げしたんだろうけど。

 どんな内容かというと、要は「明日のスターを夢見る若者たちの青春ドラマ」だ。主人公はタレント養成スクールに通う10代の男女で、それぞれダンスや歌のレッスンに励んでいる。で、夢を追い続けることの大切さや仲間同士の絆が描かれている……のだが、はっきり言っちゃうと、観て数時間もすれば忘れてしまうような物語である。主要キャストは映画での役柄と同じく、アイドル予備軍。そのファンならば楽しめるかもしれない、というレベルの出来映えだ。ちなみに、劇場公開されたのは2001年の年末らしい。
 どうして僕がこのDVDを買ったかといえば、中ノ森文子が出演しているからである。当然、まだ中ノ森BANDが結成される前だ。『結婚しようよ』のチラシなどではどういうわけか「映画初出演」と書かれていた(よね?)けど、実際には二度目だったのだ。
 それでもまあ、「たぶん少ししか出ていないから、なかったことにしたんだろう」と思っていたんだけど、本編を観て驚いた。かなり出番が多いし、物語の中でそれなりに重要な役割を果たしているのだ(大した物語じゃないけど)。しかも、劇中で歌まで披露してござる。いやいや、これは買っておいて正解。若き日(今も充分すぎるほど若いが)の中ノ森文子が歌う『アメイジング・グレイス』、なかなか貴重じゃないでしょうか。
 しかも、名古屋が誇る女性ロッカー、田村直美とも共演してござる。これは全然知らなかったので少し感激。ただ、せっかくなら一緒にゴキゲンなロックチューンをかましてほしかった。初期のPEARLの曲を二人で熱唱、とかさ。

 パッケージには大きく「w-inds.初主演映画」と書かれているが、これはウソ。実際には彼らは「スクールに通う練習生たちの先輩で、すでに大スター」という役であり、ゲスト出演っぽい扱いだ。
 笑えるのは、どの出演者よりも彼らの演技が下手、ってこと。それも中途半端な下手さではない。もしかしてウケ狙いなのかと思えるほど、すさまじい棒読みっぷりなのだ。しかし、それはむしろ感動的でもある。おそらく「俺たちは歌とダンスで勝負するから演技力なんか必要ねえ」ってことなんだろう。好意的に解釈してみました。
 あと、SPEEDのhiroとMAXも出てます。実を言うと、hiroみたいな顔立ちに僕は妙に弱かったりして……そんなこと誰も興味ないですね。

 それにしても、こういう映画を公開から数年後に観ると、寂寥感や虚無感で切なくなるよね。だって、「明日のスター」を夢見ていた若者たちは、実際の芸能界ではスターになれていないわけだから。これがまだ人気絶頂のアイドルが主演の映画なら、「アイツ、あの頃は人気あったよなぁ」という感慨に耽ることができるけど、この映画を観ていて思ったのは「この子たち、テレビでも映画でもさっぱり見たことないぞ」ってことだったもん。あ、でも、ネット検索してみたら、主演の滝裕可里は女優として活動していて、NHKの連続ドラマ『瞳』にも出るみたい。まあ、みんなまだハタチそこそこなんだから、これから大活躍するかもね。
 それにしても、中ノ森文子の次の活動は? 水面下で進行していることを願うのみ。

※ついでに、ご案内。中ノ森BANDの軌跡を辿るベストアルバムは9/24発売! みんな買おうよ。
http://www.teichiku.co.jp/artist/nakanomori/
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